編集部 園 良太
憲法施行から70年目、2017年の憲法集会「憲法こわすな! アベ政治を終わらせよう!5・3おおさか総がかり集会」が大阪の扇町公園で行われた。1万8000人が集結した。
まず主催者を代表して、大阪憲法会議の丹羽幹事長があいさつした。「日本国憲法70年、その歴史は憲法をないがしろにする政権と、憲法を具体化し、内実化しようとする人々との闘いの歴史でもあった。特に第二次安倍内閣は、憲法敵視の姿勢をより鮮明化している。一つは日本国憲法に対する敵視と空洞化の動き。いわゆる戦争法の成立で、南スーダンの自衛隊派兵、数日前からは自衛隊の艦船が米軍艦船を護衛している。明確な集団的自衛権の行使であり、既成事実の積み重ねを許すことはできない。
また秘密保護法に続き、共謀罪法案がまた国会に上程され、審議も乱暴の極みだ。社会保障の切り捨て、森友学園問題、教育勅語を学校で教えることを認める政府見解など、憲法と真逆の姿勢が続く。ここに見られる二つ目の安倍内閣の特徴は、立憲主義に対する敵意だ。自分は絶対に権力の座から降りないという確信をもって政治を行っている。これを独裁政治という。許すことはできない」と全体状況を訴えた。
続けて野党共闘に取り組む野党4党が次々あいさつ。地元大阪の民進党・辻元清美議員や社民党の福島みずほ議員は、「来年の今頃を想像して欲しい。安倍内閣を倒し、憲法が守られている状態にしましょう」と熱く訴えた。各市民団体も次々アピールし、「明日の自由を守る若手弁護士の会」の弘川欣絵さんが多くの若手弁護士を伴って登壇し、憲法9条の大切さと共謀罪の危険性を話した。森友学園問題で豊中市議の木村真さんも多くの豊中市民と共に登壇して「安倍昭恵は疑獄の当事者、証人喚問を!」と訴えた。
会場は「憲法壊すな!安倍政治NO!」のプラカードを全員で掲げてコールし、3コースに別れてデモへ出発した。また同日、京都・円山公園でも2800人が集まって集会が行われた。
「20年までに改憲」「読売新聞を読め」
東京では都立有明防災公園でのデモと集会に5万5000人もの人々が参加した。沖縄から来た山城博治さんが、「憲法の番外地から来た。これ以上政権のやりたい放題にはさせない!」と訴え、「今こそ立ち上がろう」とリードし、会場全体で歌った。翌週から連日共謀罪への国会前抗議が行われている。
安倍首相は、この日にぶつけて読売新聞のインタビューで「2020年東京五輪までに憲法を変える。9条に第3項として自衛隊の存在を明記する」と明言した。憲法で最も縛られる存在の首相が初めて自分で改憲時期を決めるという独裁ぶりを見せつけた。 5月8日に野党に発言を追及されると、「読売新聞を読めばわかる」と答弁し、国会無視とメディア支配はここに極まった。改憲や共謀罪の強行採決を許さず、野党は違法・無法な現在の国会の開催自体を阻止することが必要だ。