フランス大統領選の報道をみながら、政治教育について思うことがあった。極右・国民戦線と中道右派・「前進」、中道右派・共和党と左派・社会党と急進左派・左翼党の候補が競い合っている、とマスコミは報道している。これは政治の基本にかかわる分類である▼この分類に従えば、自民党が右派・極右連合で公明党が中道右派である。維新の会は極右派だろう。民進党は、中道左派から次第に中道右派、右派までなだれ込んでわけがわからない。社民党は中道左派と左派の連合だった。共産党が左派だろう。しかし、マスコミではこの分類を意図してか避けている▼こうした政治の尺度を教えない公教育とは何だろうと思う。18歳になれば選挙権を持って、政策を知って候補者を選ぶ権利が発生する。だとすれば、高校のときまでに政治教育のイロハを教えなければならないし、しなければ選挙権の行使は難しい。しかし、大学に入ってきた1回生に聞いてみると、自分の政治尺度を持っている人は皆無といっていい▼有機農業運動では、政治と宗教を避けることが運動の正当性を主張すること、と勘違いしている人たちが多い。多くの市民運動・社会運動もこうした傾向を持っている。企業にいたっては話題にすることがタブーである。政治の基本を義務教育からしっかり教えないと、『教育勅語』を暗唱する保育園が拡大していくだろう。 (I)