ぷりずむー1594号

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 新潟県知事選が始まった。ここには福島と並んで東電が拠点としている柏崎刈羽原発がある。泉田知事は、県独自の調査委員会を作り、福島原発事故の原因究明に乗り出していて、原因が明らかにならない限り柏崎刈羽の再稼働は認めないと頑張ってきた。だが、彼は結局出馬していない。いったんは4選出馬を表明したが、地元紙「新潟日報」が、1年前に県出資の海運会社の子会社による中古フェリー購入でトラブルがあり、これは泉田知事の責任だと報じた。知事は、これに抗議し訂正を申し入れたが拒まれ、このままでは知事選で原発の安全問題が争点にされなくなる、と出馬を撤回した▼新潟日報の攻撃は執拗で、最近も県議会で当時の担当者の副知事が「知事には事後報告だった」と答弁したにもかかわらず、翌日の朝刊で「知事の経緯把握示唆」と報じている▼『原発プロパガンダ』(岩波新書)によれば、電力9社がこれまで40年間に使った広告費は2兆4000億円にのぼり、年間500億円の広告費を使うトヨタでさえ50年かかる額だ。原発立地県の地方紙にもこの金が流し込まれ、特に新潟日報は抜きんでている。たとえば96年には合計719段、つまり約48面分(全面広告で48回)の原発広告が載った。新潟日報にとって、泉田知事は目の上のたんこぶだったわけだ▼選挙には市民団体や共産・社民・生活が推す医師の米山幸一氏が『泉田路線継承』を掲げて立候補している。頑張ってほしい。 (や)

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