先だって、ひさしぶりに貧血を起こした。電車に乗っていて、急に気持ち悪くなって途中下車して、駅のベンチでしばらく失神。冷や汗をダーッとかいて、手先などがしびれたものの、10分ほどして起き上がって、のろのろと約束の場所に向かった▼貧血には、血が薄い(血小板が足りない)貧血と、低血圧から起こす脳貧血があるらしい。私の場合は、あきらかに後者だ。そして、起こすときはたいてい、睡眠不足だったり仕事を詰め込みすぎていたりする。交感神経が優位になりすぎて、身体の緊張がほぐせないでいるとき、いわば強制終了のように、身体がシャットダウンするのだろう。冷や汗を流すと、身体は副交感神経が優位になって弛緩して、のろのろとしか動けなくなる。いつもなら早足で電車に飛び乗ろうとしたりするところでも、まったく急ぐ気にならなくなる▼貧血さんがいらっしゃるのには、いらっしゃるだけの摂理があるのだ。だから、それを敵視したり防ごうとするのではなく、おもてなしをして、「また来てくださいね」と送り出すくらいがよいのだろう▼猛暑のこの夏は、激しい夕立や台風も多かった。きっと地球にも同じような摂理が働いているのだろう。被害に遭われた方も多く、「おもてなし」とはいかないにしても、せめて、その摂理には耳を傾けていたいと思う。 (K)