2016年参院選では、2012年衆院選、2013年参院選、2014年衆院選と同じようにまた自公政権が勝った。選挙直後には沖縄でヘリパット建設を強行し、今また東京都知事選では、右翼タカ派の小池候補が勝つ見込みだ。自民党のおじさんにいじめられている小池さん、かわいそう、という程度で選挙に勝てる。何事に対しても深く本質をみずに、メディアで出されたイメージで決まっていくこの浅さが、日本社会を覆っている◆そことつながるのが、相模原市の障害者施設殺傷事件だ。確かに植松聖容疑者の個人的問題もあるが、彼が職員や軽度障害者を殺さずに重度障害者を選んで殺したところには、今の社会の価値観が反映している。つまり、能力のないものは社会のお荷物でありいなくなればいいという考えで、経済至上主義で効率を大事にし、新自由主義・弱肉強食・自己責任論の現政権の考えと軌を一にしている◆実際、障害者施設での職員の暴力事件は相次いでいる。パワハラやDVが蔓延していることも同根だ。だから「植松容疑者は私だ」ととらえて今の在り方を反省しないといけないのに、メディアも含めて世間は、タテマエで障害者も同じ命の重みなのにといっているだけ。ホームレスの人が道に寝ていてもなんとも思わない。むしろ邪魔と思う。電車で自殺者が出て電車が止まったらイラッとする。勝手にどこかで邪魔にならないところで死ねよと思っている。植松容疑者とどう違うのか。自分を顧みないような人だから、安倍政権を支持できる。(H)