7/11東京 人間らしく生きるために 愛媛の女たちと福島の女たちの共同アクション

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黒田節子(原発いらない福島の女たち)

 今月26日にも伊方原発の再稼働が予定される中、何かもっとできることはないか、できることはすべてやっていきたい、そんな思いだけが空回りしていた。これまで何回か会っている愛媛の女たちの顔を思い出し、「何かやろうよ」とダメ元で誘ってみた。女たちのノリは、たいがい期待を裏切らない。一挙に決まった東京での抗議行動を報告します。
 選挙の翌日だったから、「寝不足まなこ」で参加した福島の女たちだった。
 経産省前テント10時集合。同時刻、伊方ゲートでは再稼働前の最後になるかもしれない座り込みがされていたので、これに連帯する意味もある今日の共同行動だ。まずは経産省へ。担当職員が要請文を受け取りに門前まで出て来ることはなく、守衛が受け取ることさえもない経産省は、電話で「郵送で送って」の一点張りの対応だった。そればかりか、途中でガチャンと電話を切られてしまった。人間離れした冷たい仕打ちに、唖然とする。そんなに「女たち」がコワイの?

しなやかに、したたかに

 美鈴さんは、あの時、なんと1時間以上も電話でのやり取りを門前でねばった。しかも、ごく丁寧&マイペースな愛媛弁は、私らがストップをかけなければまだまだつづく気配。オオモノだなィ。隣で電話音声をマイクで拾おうとしていた私は、感心して聞いていた。伊方の女のしなやかさ、したたかさは、半端ではない。
 この間、暑い中、歩道で待機していた人たちには長い時間だったろうと心配したが、おしゃべりもできてリラックス、結構楽しんでいたヨ、と。さっすが~、逆境をも楽しむ女たち。期せずして、ここでの攻防が今回のハイライトの一つになったのではないかと感じている。
 ついで新橋駅前で街頭アピール。手書きチラシの裏は、「髪を逆立て、まなじりを上げて、鬼ともなった母たち」のあの友禅染絵を全面に入れた。女たちの訴えは、雑踏の中でどれほど届いただろうか。何人かから「私も原発は反対してるよ」と声がかけられた。昼食は日比谷公園内の茶店で。チャンゴde交流も木陰でホッとひと息。
 夕方からは、衆議院会館の菅直人議員事務所を訪問。全員入れるとは思っていなかったが、約束時間までそこに行った24人全員が会議室に入って1時間以上、菅さんと話し合うことができた。伊方で1戸1戸廻って得たアンケート集めとその結果、3・11事故直後のこと、避難の権利を…などなど。
 休む間もなく、四電東京支社抗議行動へ合流。すでにたくさんの方が集まって盛り上がっていた。フクシマを訴え、四電への要望書を読み上げる。チャンゴ隊再び登場。ここでも、たまたま辺野古から上京していた旧友と待ち合わせし、彼女はオキナワを報告してくれた。相変わらず淡々とした物言い、しかし、沖縄の熱い闘いの様子を。集会はいつもより時間を長くとり、夜8時頃まで続けられた。「伊方原発再稼働するな!」
 一応、女たちの7・11も四電前にて無事終了。部分的な協力も含めると100人近くの参加。暑い中での終日行動、炎天下付き合ってくださった方々、見えない支援を裏方で担ってくれた友人たち、言葉を交わす間もなかった多くの皆さん、ありがとう! 言い表せない感謝の気持ちを込めて。
 ツラツラ考えます。一人の人間の動きなど、時空の流れの中で、ほんの、ほんの一粒のものでしかない(あるいは一粒でさえもない)という自覚と、けれども、今も昔も人間らしく生きるための無数の抗いがあり、それに自分もきっと繋がるものとして想像すること。あきらめない、あきらめなくてもいいとは、多分そこからくるものではないか。
 ランチタイム交流会の写真を見る。どの顔も笑っているステキな一枚だ。愛媛の女たちのまっとうな、あくまで礼儀正しい門前での長電話を思い出す。自然と顔の筋肉がゆるむ。
 北海道、福島、鹿児島、沖縄・・・今回の選挙では、たくさんの笑みがあっただろう。都知事選も1本化した。高浜3・4号機大津地裁判決、すばらしい。地域から上がったが「あぶり出し文字をついに浮き上がらせる、というイメージはどうだろうか。ジワ~ッと見えてくる文字は「伊方ストップ」か「全原発即時停止」か、それとも・・・。

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