名古屋在住・エサマン
3月2日、名古屋地裁706号法廷にて、池田君の刑事事件の裁判がありました。池田君は罪状認否で、結果として友人の万引きについて加担してしまったことについては認める。傷害については、自分のやったことではないことまで自分のせいになっているのではないか、というような趣旨のことを主張しました。
弁護人からは「公訴事実及び検察官請求証拠に対する弁護人の意見」という文章が出され、法廷で読み上げられました。この文章は、池田君が国を相手にした賠償請求裁判を闘っており、今回の事件の相手(共犯や被害者)となる二人と、自衛隊を辞めされられ、生活が乱れていく中で、どのように知り合って事件にいたったのかが述べられたものでした。
この文章が読み上げられる途中、検察官から「本件とは関係ない」というような異議が二回出されましたが、いずれも認められず、文章は最後まで読み上げられました。
検察からの「異議あり」
「異議あり」の声は、弁護人らが、池田君がイラク派兵の際に米軍車両に引かれて重傷を負い、事故隠しをされたことの件で現在、国を相手にした裁判を闘っているというくだりと、もうひとつは、この万引き事件で実被害は出ておらず、被害者である店の店長は当初被害届けの提出をやめようとしていた事件である(調書によるとそれは店長個人の判断ではなくて会社の組織決定でもあったようです)、という部分の二点です。
これらの検察による「異議あり」の箇所は、権力側のなんらかの意図を表しているような気もするので、とくに紹介しておきます。
このように池田君については、ネットで流布されているような「完全に冤罪のスラップ裁判」とは、言いがたい状態と思います。
しかしながら、本件について、万引きの映像を警察が掌握してから10カ月も時間がたってから逮捕していることや、期限切れの捜索令状での家宅捜索、そして容疑事実とは異なる証拠をさがしていた(国賠関連の資料など)、などのことから、警察の一連の動きが不当であり、国賠裁判への妨害が意図されていたことは、変わらないように思います。引き続き、池田君の裁判の行方に注目していただけると幸いです。