3月9日の大津地裁判決で、関西電力の高浜3号機、4号機が再び運転停止した。5月1日から予定していた値下げを見送ったのは、何が何でも原発にこだわる関電の政治的な決定だ▼この判決を受けて関経連の会合で、角和夫(阪急阪神ホールディングス社長)が「地裁の裁判長が国策にたてつくとは生意気だ」というような発言をしたが、一私企業のたんなる金もうけのために安全を脅かされ、場合によっては難民にさせられる身にとっては単なる妄言と笑うわけにはいかない。更に当の関電社長は、「もし本裁判でひっくり返った場合は損害賠償を請求する」と暴言を吐いた。ヤクザなみのタチの悪い脅しである。高市早苗が放送局を脅し、レスラーあがりの文科相が朝鮮学校問題で自治体を脅す。強い者が力まかせで主張を通そうとする▼熊本の地震が収まらない。余震だと思っていたらとんでもない強いのが来て、こちらが本震だという。だったら、また「本震」が来るかも知れず、気象庁も「まだまだ大きいのが来る可能性がある」と言っているのに、わざわざ規制委員会の田中俊一に記者会見をさせて「川内原発を止める必要はない」と言わせた。原発の近辺で次から次へとやって来る地震にふるえている人々にとって、これもまたとんでもない脅しである▼核武装への夢をはらみ、わざわざオスプレイを飛ばしても、地震だろうと火山の噴火だろうと、原発は動き続ける。(や)