【座談会】企業倫理の劣化を進めた株主のための短期利益優先主義 松久寛さん(縮小研)/Aさん(化学メーカー元技術役員)/Bさん(製造メーカー元技術者)

 「カリスマ経営者」と賞賛されたカルロス・ゴーン元CEOの逮捕は、企業幹部のたかり体質を暴露した。解雇・賃下げ・労働強化を核とするコストカットを命じながら、社員の努力と犠牲で稼ぎ出した利益を私物化し、いまだに開き直ってい …

資本主義・労働の終焉と今ここにあるコミュニズム 酒井隆史さん(大阪府立大学教授)インタビュー

 いったんルールができると、今度はルールがないと不安になるものです。こうしてルールは増殖し、自発性・自立性・自己判断の空間は切り縮められていきます。  新自由主義のイデオロギーは、一見「自由」・「自立」につながる表現を使 …

#MeToo としての鈴木聖也氏「署名記事」早大大学院セクハラ問題を読み直すために 莠 きいろ (文芸同人作家、大学院生「社会運動研究」)

職務上の地位を利用し性的な関係を強要する行為=セクシャルハラスメント。社会的な地位が高い人物による加害が度々報じられており、昨年12月に発覚した、フォトジャーナリスト広河隆一氏がジャーナリスト志望の女性に性的な関係を強い …

【時評短評 私の直言】2018年夏の記録―関空崩落と9・11NYの共通性 神戸大学 原口剛

 今夏、日本列島は地震や台風が相次ぎ、関西も大きな被害を受けた。被災の経験は、私たちが生きる状況の真の姿をみせつけた。  9月4日、台風21号が神戸に上陸した。観たことのない光景が、次々と映し出される。衝撃的だったのは、 …

【祝】連載100回記念 特別企画 著者・まつだたえこさんインタビュー

 本紙連載4コマ漫画『貧困さんいらっしゃい』が100回を迎えた。10年前から貧困や摂食障害に苦しむ当事者として、日本の政治・社会の問題を鋭く、おかしく描いてきた、まつだたえこさん。「ウツ」など自身の心の病を題材にした漫画 …

【時評短評私の直言】シングルマザーの生きづらさ しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西 鈴木くみ子

シングルマザーの貧困というテーマですが、ひとくくりにはできない。 まずは小さなこどもが熱を出したときに、支援してくれる親なり、兄弟、または友人がいるのかという問題。また、技術やベースの学力がないと非正規雇用がほとんどとい …

 【韓国の新たな運動】 最終回 ミートゥー運動と恵化駅前デモ 朴藝智(ぱく いぇじ 交差性フェミニスト連帯記)

 2018年上半期、韓国社会最大の論争点はミートゥー運動だった。  2018年1月29日、現職検事のソ・ジヒョンがJTBC放送のニュースルームという番組で、検察内の性暴力を告発した。検事という地位にいる人でも「女」という …

【連載(3)韓国の新たな運動】立ち上がる韓国の女性たち 朴藝智(パク イェジ 交差性フェミニスト連帯記)

 前号で紹介した、女性嫌悪殺人といえる「江南駅殺人事件」を追悼する女性たちに、よく思わない男性たちが非難をしはじめた。あげくの果てには追悼現場に現れ、「男性を嫌悪する女性たちは真の追悼をするのではなく偽物だ、彼女らはごた …

【くりりゅうの哲学ノート】病と暴力を軸に賃労働を捉え直す 在野の哲学者・文筆業 栗田 隆子

 断捨離という言葉が流行って久しいが、もっぱら捨てるに徹している日々。そして私の部屋がぐんぐんきれいになっている。  同時に社会活動で出会った人間関係の一部に終止符を打ったり、距離を置いたりした結果、みるみる寛解の道を辿 …