裁判提訴について  (株)人民新聞社の見解

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(株)人民新聞社の編集部で働いていたAさんが、当時の編集部での労働環境などを問題として、(株)人民新聞社を相手取って3月14日、大阪地裁に損害賠償を求める裁判を提訴しました。新聞社には3月25日に訴状が届きました。

 まず、(株)人民新聞社は、Aさんが強い怒りを蓄積するような職場環境があったこと、またそれに対するAさんの問題提起に対し、話し合いによる和解にいたらなかったことを深く反省しております。そして、裁判という場で主張を交わす事態になったことを残念に思っております。

●話し合いの経緯

 (株)人民新聞社は、今年1月8日の第1回からの話し合い以降、話し合いによる解決をめざしてきました。2月4日に謝罪文を示し、ハラスメント研修も企画し、賠償金についても最大限の金額を示してきました。しかし双方が合意できる和解案に至らず、裁判という場で主張を交わすことになりました。

 これまで(株)人民新聞社は、話し合いによる解決を追求してきたので、社としての見解を外部に発信することは控えてきました。(株)人民新聞社は、事実に基づく丁寧な話し合いによる解決を望んでいます。しかし裁判提訴が決まってしまった以上、読者・協力者を含め、皆さまに一定の見解を示す必要があると考えるに至りました。現時点での(株)人民新聞社としての見解を明らかにします。

●3点の要求と応答

 Aさんからは、3点の要求が示されています。要求に対して、(株)人民新聞社はこれまでの話し合いのなかで次のような応答をしてきました。

要求1「ハラスメント研修を受ける」について

 (株)人民新聞社は、ジェンダー論の専門家の研修を受けることを決め、そのように応答しました。その後1回目の研修を4月前半に行い、さらに2回程度を予定していますが、追加も考えています。

要求2「自己批判文の紙面掲載」について

 (株)人民新聞社は、ハラスメント研修を受講し、これまでの新聞社のやり方について内省を深めることで作り上げていくものが自己批判文だと考えています。これまでの話し合いで提示した文章は、内容が折り合いませんでした。新しくつくる自己批判文の掲載の形態や、内容について広く批判を請い、よりよいものを作り上げたいと思っています。

要求3「損害賠償」について

 要求金額と当方の提示金額に開きがあり、合意に至っていません。

 本件の詳しい経過説明については、現状ではまず裁判の場で行なっていくことになります。しかし、Aさんから裁判が提起される状況になりましたが、(株)人民新聞社はあくまで事実に基づく丁寧な話し合いによる解決を目指すことを確認しています。今回のAさんの訴えを重大なものと受け止め、当時の編集部員に限らず、4月からの新編集部(注)のメンバーも含めた関係者がジェンダー論の専門家を交えたハラスメント研修会を受け、内省を進めています。

 (株)人民新聞社は、長い歴史の間に、男性中心の体質が形成されてきたことに無自覚でした。常に男性が多数派を占め、女性編集委員の問題提起を受け止めきれないまま、男性中心の体質が維持されてきました。Aさんの問題提起についても、具体的な事象のなかにあるハラスメントを掘り起こしていかねばならないと考えています。

 こうした講習や研修会に加えて、ハラスメントに関する新旧編集部の話し合いを通して、これまでの(株)人民新聞社がなぜ・何を問題として認識してこれなかったのかという内省を深め、Aさんへの対応に生かしていきます。また、継続的に編集部員どうしの関係性のあり方、編集部の職場環境を問い直していきたいと考えています。

(注)…本紙は、長年課題だった世代交代や財政難などを克服するために、22年4月を目標に昨年から準備を重ね、複数の新メンバーが加わり、4月から新編集部となりました。

 なお、3月末に本紙ブログへ掲載した見解文は、新編集部への移行の最中であり、内部確認が不十分で、直後に内部から内容に異議が出たため、公開を取りやめました。そして再検討を重ね、本見解を出すこととしました。

     2022年4月16日 (株)人民新聞社 

山田洋一 園良太 津林邦夫

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