5月23日(木) 12:10~13:00 開場11:30~閉場13:30
会場:東大本郷キャンパス 工学部 新2号館 1階 211教室(旧館から入った場合はサブウェイの下階)
参加費:無料 予約:不要
(報告)佐々木敏昭(1966~2002年東職専従書記、元東職書記長)『東職組合運動としての東大闘争と確認書』/(話題提供)伊藤谷生(1989年度東職執行委員長)『確認書の歴史的意義』/(コメント)田端博邦(2000、2001年度東職執行委員長)/(司会)坂本宏(東職OBOG会世話人代表2016年度東職執行委員長)
東大闘争というと1969年1月18~19日の“安田講堂攻防戦”を想起される方が多いと思います。しかしそれは1年余にわたる東大闘争の1局面にすぎず、東大闘争の歴史的意義を象徴するものではありません。
東大闘争は1968年1月医学部学生に対して行われた不当処分の撤回を要求する行動として開始され、同年6月の大学当局による機動隊導入への怒りを契機に全学の学生・大学院生の闘いとして一挙にひろがりました。
大学当局が学生・大学院生の要求に真摯に応えないために、10月には全学部が無期限ストライキに突入する状況になったのです。東大職員組合(略称:東職。現在は東大教職員組合に改称、略称は同じ)は、最初期から学生・大学院生を支援するとともに勤勉手当(ボーナス)差別支給反対や看護婦(当時は女性の職種であった)の夜勤制限など教職員固有の要求実現と大学変革を求めて数次の時限実力行使(ストライキ権が剥奪されていたため休暇闘争という形をとった)を決行して東大闘争の一翼を担いました。こうしたなか辞任した大河内総長に代わって総長代行に就任した加藤一郎法学部教授がようやく学生・大学院生・職員の要求を認めたのです。そして不当処分や機動隊導入をもたらしたそれまでの「大学の自治=教授会の自治」論が廃棄され、大学を構成する学生・大学院生・職員がそれぞれ固有の権利をもって大学自治に参加するという全構成員自治によって大学運営を行うことを明記した確認書(東大確認書)が1969年1月10日大学当局と学生・院生代表との大衆団交席上において締結されました。さらに山口東職委員長と加藤総長代行の間で同趣旨の確認書(東職確認書)が3月5日に締結され、1年に及ぶ東大闘争をへて東大は新しい一歩を踏み出すことになったのです。この2つの確認書こそが東大闘争の歴史的意義を凝縮したものといえます。
この東職確認書と「折衝経過における了解事項」(当局と東職の交渉委員間で確認)によって大学運営も含む広範な事項について東職は総長との交渉権を獲得し、以後、職員の待遇改善、権利の拡大、職務における専門性の確立などを目指して活発な活動を開始することになります。今年は東職確認書締結からちょうど50年にあたりますので、このランチョン(※)セミナーでは東職組合運動としての東大闘争を振り返りつつ東職確認書の意義を考えてみることにします。
主催:東京大学教職員組合
共催:工学部教職員組合、東職OBOG会
連絡先:Tel・Fax:03-5841-7971 E-Mail:syokikyoku@tousyoku.org https://tousyoku.org/