12月13日(火)18:30開始(3時間弱)
オンライン
資料代:500円
報告者:島薗進(宗教学者・東大名誉教授・上智大学グリーフケア研究所元所長)
主催:ルネサンス研究所
連絡:renaissanceinstitutetokyo@yahoo.co.jp 「参加希望」のメールをお送りください。
こちらからの確認メールで資料代の払い方をご案内します。
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「統一協会問題の解決の途がなかなか見出せない。岸田政権は12月1日に「被害者救済新法」を閣議決定し国会に提出した。
10日の会期末までの成立を目指すという。
「宗教二世」をはじめとするカルト被害は早急に救済されなければならない。ただし統一協会がここまで日本社会と政権与党に浸透したのは何故か?
私たちは今こそこの問いを掘り下げるべきではないだろうか。報道されていることを見る限り、統一協会の教義は極めてカルト的であるだけではなく「反日」的でもある。
このかん嫌韓・反中によるナショナリズムを煽ってきた安倍晋三元首相ら極右勢力がとりわけ統一協会との癒着を深めてきたという事実を私たちはどう受け止めたら良いのだろうか?
これは「敵の敵は味方」というマキァヴェリズムに過ぎないのか? それとも一種の「価値崩壊」「意味喪失」が深いところで日本社会を規定していることの現れなのか?
ルネ研は先々月の10月にも統一協会問題で中野昌宏さん(青山学院大学)を招いて戦後日本の保守勢力と統一協会の癒着についての詳細な分析を伺った。
今回は宗教学者の島薗進さんに「なぜ統一協会のようなカルト信仰に少なくない日本人がはまったのか」というテーマでお話を伺うことにする」
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「政党・政治家と統一教会の結びつきがもたらしてきた人権侵害や違法行為の放任が問われなくてはいけない。
だが、その背後には統一教会に限らず、さまざまな宗教勢力の政治関与があり、政党・政治家の宗教利用・宗教支援の実態がある。
そのような政治と宗教の結びつきは、日本国憲法が規定する政教分離規範とどう関わるのであろうか。ここにこそ現代日本の公共空間の危機の一端が見られるだろう。
政教分離が前提とされる立憲政治体制において、宗教の政治関与、政治の宗教制御がどのようになされているのか、捉え直す必要がある。
公共空間が保障する多数性や、開かれた場という性質に対することで、宗教が公的領域から撤退し、私事に関わるものに専念していく方向があった一方で、
かつての世俗主義が強かった時代には予想できなかったような形で、宗教の政治関与が進んできている。
ホセ・カサノヴァのいう宗教の「脱私事化」であるが、それは必ずしも楽観的に受け止めうるものではない。
新たに宗教が公共空間の閉塞や、ひいては危機をもたらす恐れも生じている。政治による宗教制御、
宗教の公共空間への関与のあり方があらためて問われていると言える(島薗進)」