3月3日(日)14:00~17:00
会場:高槻市立生涯学習センター 第1会議室
参加費¥500
3月3日ルネ研関西研究会報告について 2019年2月25日 榎原均
当初のテーマは「社会運動としての社会変革プログラム」でした。しかし、当日は、「市場社会主義からコミュニズムへの移行」に絞り込みます。
それで若干の概要を事前に書いておきます。次の三つのテーマについて報告します。
1.市場社会主義とは
市場社会主義というと、旧ユーゴ、ハンガリーが念頭に置かれています。
しかし、そもそもの市場社会主義のはじまりは、ロシア革命において、戦時共産主義からネップへの転換の時に、レーニンが、国家資本主義と市場を導入したことにあるのではないかと考えています。
スターリンによって1930年代に作られた、官僚が支配階級として形成され、党支配の国営企業の成立は、この市場を伴った国家資本主義の否定だったと思われます。この意味で大谷禎之介らのソ連国家資本主義説は妥当ではないでしょう。
多分ネップの例に学んで、旧ユーゴ、ハンガリーでは、市場を導入し、資本主義なしの国営企業と協同組合とを市場で結びつけましたが、現時点から考えれば、これは市場社会主義の特殊なケースだったのではないでしょうか。
現代中国は、株式会社を導入した資本主義を土台とする国家資本主義ですが、こちらの方が、ネップの継承ではないかと思われます。
これは現時点での仮説で、当日何とか実証するつもりです。
2.岩田昌征に学ぶ
紀伊国屋書店、初版、1974年)の第1章をテキストとします。
第1章は、マルクスやエンゲルスの社会主義論を整理し、計画経済と自由人の連合という論点にまとめています。
そして、計画化については、まったく簡単に実現できるという考えでした。ところが現実に実現したソ連社会主義は、計画化に苦労し恐るべき官僚組織を作り上げます。他方、自由人の連合の方は、夢にされていきます。
このような経過から、それに依拠すればソ連型の社会主義に行き着かざるを得ない、という評価が下されています。他方、自由人の連合の方は、スターリンによって抑圧されたユーゴが、自主管理社会主義という形で実現しようとしました。
このような国際共産主義運動の対立のなかで、ユーゴの共産主義が健在の時に、市場社会主義からコミュニズムへの移行のための処方箋を書いたものとして本書を検討します。
3.「商品という社会的象形文字を読む」の検討
最後に、「商品という社会的象形文字を読む」の検討をします。テキストは、ルネ研関西HPに掲載している「基盤的コミュニズムについて」の後半にあります。
https://docs.wixstatic.com/ugd/ff0e58_53e0b8e70c3c48b6bd5be1bba7e03b90.pdf
主催:ルネサンス研究所・関西