【時評短評 私の直言】目に余るメディアの反韓報道と無知 日本植民地支配の清算進める韓国 シネマブロス  宗形修一

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 慰安婦問題・徴用工問題、そしてジーソミアの破棄、法務部長官に就任した曹国氏のスキャンダル報道と、日本のマスコミ報道の「反韓」キャンペーンは、とどまることを知らないようだ。  私は元々、偏向報道のNHKは見ないが、民放ワイドショーまでもが、その一翼を担うようになると、TVは一切見ないことにした。この状況は、1941年の真珠湾攻撃の日に「鬼畜米英」のキャンペーンで一色に染まった日本の過去を思い起こさせる。  

ここで私たちが考えねばならないのは、旧宗主国の日本人の立場での韓国批判ではなく、韓国社会の急激な民主化の進行である。日本には表層的 な韓国社会の変貌の報道はあるが、韓国民衆が自らの手で軍事政権を倒した87年以降の歴史や、2017年のロウソク革命を経て、日本植民地支配の清算が進行中であることは伝えない。  

彼らはこうも言う―敗戦により軍国主義が解体され、「民主主義を与えられた」日本。戦後の新植民地支配である軍事独裁政権を倒し、自らの手で「民主主義を勝ち取った」韓国。その違いが日韓の歴史認識の違いであろうと。日本人は、今改めて(驚いてといったほうが的確かもしれない)韓国の姿を見ているが、韓国はじっと日本のふるまいを見てきた。  

韓国は日本の傲慢なふるまいを今も見ている

1965年の日韓条約で8億ドルが日本より韓国へ供与されたが、その内実を調査した韓国のTVは、「彼らが後にささげた友愛というのは、韓国と日本の『国民』のためのものではなく、加害国と戦犯企業に免罪を与えると同時に、お互いの政治的基盤を強化する契機として、利用されてきたのです」と、条約の本質を鋭く批判している。  これに付随して、「安倍総理が学生時代に乗っていた真っ赤なアルファロメオは、元従軍慰安婦・元徴用工に渡すべき日本国民の血税で支払われていた」とも述べている。  

2005年、韓国において日韓基本条約その付随文書の議事録の一部が公開されたが(日本政府 もすべての公開はしていない)、韓国政府は公表と同時に「政府旧日本軍が関与した反人道的不法行為は請求権協定で解決されておらず、日本の法的責任が残っている」との声明を発表している。  

徴用工損害賠償は当然 植民地支配は非合法

それ以前、1996年の国連人権委のクマラスワミ報告も、「日本の1965年協定は、政府に対して支払われる賠償に関するもので、被った被害に基づく個人による請求権は含んでない」と断定している。  

最後に、韓国大法院2012年5月の三菱重工業と新日本製鉄を相手に起こした徴用工損害賠償請求訴訟判決文は、以下のように述べる。  

「1965年締結された日韓請求権協定は、日本の植民地支配の賠償を請求するための交渉ではないために、日帝が犯した反人道的不法行為に対する個人の損害賠償請求権は依然として有効」とし、「消滅時効が過ぎて賠償責任はないという被告の主張は、信義誠実の原則に反して認めない」。また、元徴用工らが日本で起こした同趣の訴訟で敗訴確定判決が出たことに対しても「日本の裁判所の判決は植民地支配が合法的だという認識を前提としたもので、強制的動員を不法とみなす大韓民国憲法の核心的価値と正面から衝突するために、その効力を承認することはできない」。  

日本のマスコミから伝えられる韓国情報には、これら韓国人の底流に流れる心情を掬い取るものがない。2013年の岸田外務大臣の「紛争は存在しない」の声明は何だったんだろう?

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