<第六話・「女子力」に踊らされるな!>

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【浦島オバさん太郎の日本すごくない】

 私は以前、何人かで食事に行った時に焼きそばを皆のお皿に取り分けた。すると一人の若い女子に「わー! 女子力高いですねー?」と言われたことがある。  

「女子力」ってなんなん? 私が日本にいた35年ほど前には存在しなかった言葉だとは思うけど、どういう意味なのと調べてみたら? Wikipedia曰く;女子力(じょしりょく 英語:Joshiryoku)は、輝いた生き方をしている女子(一部の男子)が持つ力であり、自らの生き方や自らの綺麗さや戦闘力、センスの良さを目立たせて自身の存在を示す。… 主に料理ができたり、化粧能力が高い女子のことを指す。  

バカにしてる! つまりは「いかにして、男性に気に入られるように自分を鍛えているか」というような女性差別的な言葉なんやね。それやのに、なんで女性自身が喜んで使うの? 要するには母親みたいなことをすると、男性に喜ばれるということか!と愕然とした。私はベジタリアンなので、自分の皿に肉が入るのが嫌やから他の人に分けられたくない!という必死の思いで、その役をしただけなのに。輝いた生き方? なんか自民党のポスターみたいなキャッチフレーズやね、料理ができて化粧が上手なら輝いているのか???  

マザコン由来の言葉!?

イギリスにはそんな言葉はない。イギリスではみんなの世話をする人は「今日はみんなのお母さんになるわね」(I will be your mother today)と言う(男でも、冗談を含めて)。もしかして、この日本語の「女子力」というのは「お母さんになる」ということなのか?  するといい男を手に入れられる=手に入れた日本の男はマザコン=だから、暴力も暴言も男尊女卑も許してもらえる=だって女の人は皆お母さんだから、というような世の中を舐めたような幼稚な法則ができていて、女性差別問題やDVが減らないんじゃないかと考えられる。それに、女子力に対して男子力がないのもおかしくない? それに対して男子は抗議の声をあげないの? 女子専用車両や女性専用ルームには文句をいうのに、えっ! なんでや! 抗議しなさいよ!  

主語が「自分」の生き方を

結果、日本女性は自分たちで自分たちを差別している、または差別させていることに気付くべきだと思う。マスコミや商品の宣伝に翻弄されて、立場の弱いまま生きるのを今すぐ止めるべきだよ! お化粧をしたり、可愛い髪形にするのはいいことだと思うよ、でもね、それは「女子力」=男に気に入られるためではない。自分が好きなことだから料理をするとか、自分が気分良くなりたいから化粧をするというような、主語が「自分」でないのは、最初から自分を低く見ているんじゃないのかね?   

ロンドン大学のDV講座で習ったのは、「ずるい人間(男も女も)は、そういうタイプの弱い立場の人を見つけるのが大変上手です。DVの男などは、どの女性が弱くて自分を許し、受け入れるのかを見分けることに長けているから、抵抗しないような女性を見つけるのが上手い。DVの被害者が支配的な男性を選ぶのではなく、支配的な男性が抵抗力の弱い相手を選ぶのだ」ということ。目からうろこでした。  

なので、女子力をあげる、女子力を磨く、なんて言うて居ると危険がいっぱいだよ!「女子力が高い」て言われた日は、自分の行動や考え方を見直すほうがいいよね。女子力なんて言葉が流行る日本は、やっぱり凄くないやんか! (大西 ゆみ)

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