非白人女性議員に「もといた国へ帰れ」 依然として残る、米国の人種差別 脇浜義明 出典:リアルニュース、2019・7・15

トランプ大統領がツイッターに投稿

トランプ個人の人格的問題ではなく 米国が抱え続ける人種差別という課題

 ドナルド・トランプ大統領は7月14日、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス、イルハン・オマール、ラシーダ・タリーブ、アヤナ・プレスリーの4人の進歩的非白人女性議員を指し、「もといた国へ帰れ」とツイートした。  

幼い時に米国に家族といっしょに亡命してきたオマールを除いて、他の3人はみんな米国生まれであるが、米国人は先住民を除いてみんな移民の子孫で、トランプも同様である。共和党上院議員リンゼー・グラムは、翌日トランプのツイートを取り上げた。フォックス・ニュースでトランプ・ツイートを支持する発言をしたのだ。そして4人の女性議員を「共産主義者」だと決めつけた。  

「アレクサンドリア・オカシオ=コルテス一派が共産主義者であることは周知の事実だ。彼女らは国境警備隊員を強制収容所警備隊員と呼ぶ。イスラエルを支持する人々をベンヤミン一味だと悪口を言う。彼女らは反ユダヤ主義者だ。反米主義者だ」とグラム。  

メリーランド大学のキムバーリー・モフィット博士は、トランプ・ツイートを彼個人の人格的属性問題としないで、もっと大きな問題の表れと解釈している。つまり、米国にはいまだに厳然として人種差別問題が課題として残っていると捉える。 

「トランプがこれだけ言っているのに、多くの人々は米国には人種差別はもうないと信じ込み、トランプの米国第一主義的経済、貿易、国境、移民などで覆い隠してしまう。人種問題はその陰に隠れているが、現実には厳然と存在し続けて、トランプ支持の要素となっている」  

民主党幹部による非難も 攻撃の後押しに

モフィットはさらに、トランプを支持する人々が本能的に恐れているのは米国の有色人化で、その恐怖がトランプ支持につながっていることを指摘する。  

一方、現在米国政治の世界で進歩的と呼べる勢力は女性、それも有色人女性であることをも指摘している。  

ジェラルド・ホーン博士は、トランプの有色人女性議員攻撃に拍車をかけたのはナンシー・ペロシ下院議長のような民主党体制派幹部であると言っている。そのメカニズムは大統領選挙でトランプ勝利を導いたのは民主党であったのと同じである。 「何らかの形で民主党、少なくともその幹部の一部の政治姿勢が、トランプ台頭の道を拓いたのだ。トランプの有色人女性議員攻撃も、その発端はナンシー・ペロシがニューヨーク・タイムズのコラムニストのモーリーン・ダウとの対談の中で進歩派議員―とりわけオカシオ=コルテスを激しく攻撃・非難したことのように思える。あの非難の後、オカシオ=コルテスに送られた殺人脅迫状の数が急増した」と、ペロシがトランプのツイートを促進したと分析している。もっとも、トランプ・ツイートに関して、ペロシは「外国人嫌悪で人種差別的」と公式に批判している。

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