【ぷりずむ】

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 巷の人々の多くが、人権擁護側の運動を理解せず、少数派を否定する思考状態に陥って、左翼的な主張を「パヨク」と呼び、「日本人なのに東京オリンピックに反対なのか」(高須医院長)などと発言している▼それは、哲学者・オルテガの言う「平均人」を思わせる。「平均人」とは、自分の中によしあしの基準を持たずに、皆と同じであることに快楽を得る人のことである▼そんな「平均人」は「現場のリアル」を知らず、慰安婦問題、少女像設置問題、沖縄の反基地運動をも「パヨク」と否定するのだ。物江潤著『ネトウヨとパヨク』は、主にこの構図に乗っている。物江は「パヨク」という言説の感覚に引っ張られて、左翼は相手の言い分を聞かずにレッテルを張る、論拠に基づき冷静に議論するべきだと中立主義で発言する▼オルテガは「専門家こそが部分しか見ていなくて全体が見えていないので、一面的になる大衆の原型だ」と言う。その点で物江は「大衆の原型」である。自分の主張の底の浅さが見えていない物江的なものが、メディア、政治家、学者、官僚、ネット民にあふれている。  (H)

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