沖縄辺野古の海を守る「辺野古ぶるー」の闘い日記(2)辺野古海域の闘いは最終局面

諦めず抗議の声を上げ続ける 柴田鉄也(30歳。京都在住。辺野古に滞在しながら、海のカヌーとゲート前の座り込みに参加。)

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暴力的な環境破壊を暴露

 2014年から始まった「辺野古ぶるー」の闘いは、紆余曲折を経て危機的状況ともいえる辺野古海域の護岸閉め切りと土砂投入(8月17日と県に通知あり)を目前に控えるなか、連日10艇ほどのカヌーと2隻ほどの抗議船で阻止行動と抗議行動を行っている。大浦湾での工事は技術的・構造的問題を抱えているのに、辺野古海域で阻止する闘いはもはや最終局面になっている。

 海上保安庁は、私たちが出すカヌーの数に応じてゴムボートを増やし、臨時制限区域と呼ばれている本来自由に航行できる海域で、私たちの自由、いや海人の自由な活動・生活の糧を奪っている。

 そんな中、「辺野古ぶるー」は劣勢を強いられている。辺野古海域で護岸が完成し、土砂投入されれば、阻止行動は困難になる。それでも護岸を目指し、カヌーを漕ぎ、抗議の声をあげるし、あきらめることはない。絶望してあきらめている暇はないし、そんな選択もないのだから。

 日々の阻止行動・抗議行動は、専門家たちの情報開示と分析と連動し、違法工事の一つ一つを監視し告発し、新たな情報開示とその分析を行い、防衛局がいかにずさんで暴力的なやり方で環境破壊・ジュゴンのえさ場である藻場を奪っているかを伝えている。そのことが、撤回のための法的根拠を支え、運動を多角化している。工事撤回を求めることは、知事を批判するためではなく、辺野古新基地阻止のために必要なことである。

 辺野古ぶるーは年齢的・数的に2014年や15年の頃のような勢いや阻止能力はないのかもしれない。それでも彼ら彼女らには、これまで生きてきた経験と知識がある。これだけは僕にも敵わないし、海上保安庁にもとってもそうだ。ある仲間が言った言葉がある。「毎日の現場が学校である」と。実際、元教員の人たちもメンバーには多数いる。

 

沖縄慰霊の日

オール沖縄は辺野古を見捨ててないとアピール

 6月23日の沖縄慰霊の日から2日後の25日は、4回目の「海上座り込みの日」であった。ジュゴン訴訟の結審を3日後に控える大事な時期でもある。これまでも海上パレードや海上座り込みが行われてきたが、抗議集会の意味合いが大きく、前回はパレードや歌、シュプレヒコールが行われているなか、平然と工事が行われたが、午前で行動が終わり、昼からは集会のみとなってしまい、反省点が残った。

 今回は、阻止行動を中心に置きながらも、オール沖縄の共催で、我々が辺野古の海をまだ見捨ててはいないことをウチナンチュー・沖縄人に見せる機会でもあった。カヌーが68艇、抗議船が9隻で、総勢170人が海上で果敢に阻止行動を展開した。

 まず土砂投入が予定されている辺野古崎付近の「K4」護岸工事現場の前で立ち入り禁止を示すフロートを一斉に超えて、工事中の護岸に少しでも近づこうとした。一方海上保安庁は、10隻以上のゴムボートを出し、我々を拘束した。あいにくの悪天候で午後に予定されていた浜辺でのミニ集会や行動は中止になったが、翁長雄志知事に埋立承認撤回を求める決議文を採択した。

 沖縄には観光や開発目的の本土式の大型公共事業が返還以降もちこまれ、辺野古海域と大浦湾はサンゴやジュゴンのための最後に残った自然環境である。安保でもって犠牲を強いてきたのは、本土・日本の人間たちである。辺野古ぶるーのメンバーは、本土からの移住者が多い。私たちには闘う責任があるのだ。

 これは、無償ボランティアではない。毎日の活動が生活そのもので、残りの人生を辺野古に賭けている無償の愛であり、次世代のための再生産の労働であり、償いでもある。一人でも新しい仲間が増えてくれることを願ってやまない。あきらめるにはまだ早い。 

 

★辺野古沖の埋め立て土砂投入に反対する沖縄県民大会開催★
8月11日(土)午前11時~
那覇市奥武山陸上競技場
主催:オール沖縄会議
(直前に辺野古ゲート前連続行動も計画中)

 

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