5月1日(水)15:30~
会場:キノ・キュッヘ:木乃久兵衛(186-0005東京都国立市西2-11-32 B1 TEL 042-577-5971 )
料金¥1000
主催:キノ・キュッヘ:木乃久兵衛
連絡:E-mail para_kino9@m2.pbc.ne.jp
製作:「母たち」制作委員会 監督:黒川芳正 撮影:佐々木健、黒川純、大島俊一 編集・照明:佐々木健 インタビュアー・録音:鈴木かつ子 テープ編集:大熊亘 音楽:L-T UNIT2 1987/カラー/8ミリ/120分
黒川芳正を含む東アジア反日武装戦線のメンバー大道寺将司、益永利明、荒井まり子らは、丸の内の三菱重工爆破事件等を起こし、すでに獄中にある。黒川は獄中からこの作品を指示し監督す る。そして本作製作当時、彼等は死刑囚あるいは無期懲役となっていた。
黒川のアイディア「天皇制とは純粋に家父長制原理の権化であるのではなく、同時に女性原理の権化としてある」ことを証明し、 「日本的母の原像を批判的に検証する」という明確なテーマに向かって佐々木健以下スタッフは、8ミ リカメラで黒川自身の母を含む獄中メンバーの母たちへのインタビューを続けた。大道寺将司の母 や黒川の母は息子たちの犯した事件によって徐々に「天皇制」について学習していくようになっていった。そして益永利明の母は事件以降に自ら進んで「母」となるべく養母となった女性であった。それぞ れ事件によって担った重い負荷とともに、冷静に現状を受けとめ今では死刑反対の運動を続ける「母 たち」の姿。時にはユーモアを交えた分析的な寸劇を、そして大道寺将司の原体験となる北海道の風景をはさみながらも、「母たち」は素直な感情を語った。映画は「日帝本国人としてしか生きれなかった、おのれ自身への自己憎悪のパトス」という告白とともに終わる。