2月25日(土) 14:00~16:30
会場:県南生涯学習センター 小講座室2(土浦市大和町9-1ウララビル5階 )
参加費¥500
お話:「戦争から逃げる 近代日本の兵役拒否・兵役忌避」 三上真理子(大学非常勤講師)
主催:戦時下の現在を考える講座
連絡TEL090-8441-1457(加藤)
ロシア・ウクライナ戦争が始まって一年になろうとしているが、まだ終わりは見えない。
国連の発表では、ロシアがウクライナに侵攻を始めた二〇二二年二月から十二月末までに七千人近いウクライナの民間人が死亡した。
ウクライナ兵の死者は、十二月一日のウクライナ政府の発表では、一万人から一万三千人とされる。同じ発表によれば、ロシア兵の死者は最大で十万人。
ロシア国防省は昨年三月以降のロシア兵の死傷者数を発表していない。
多数の兵力を喪失したロシアは、九月、旧ソ連時代に遡っても第二次大戦後初めてとなる動員令の発令を行った。合わせて兵役拒否者には厳罰を科す刑法改正も行った。
他方ウクライナでは、ロシアの侵攻直後に総動員令が発令され、十八歳から六〇歳の男性は国外に出ることが禁じられた。
徴兵カードを渡された者は志願するか否かを選択できるとも言われるが、徴兵免除証明書もなく自由に兵役を拒否できるわけではないだろう。
このような国家が「国民」を戦争に動員する権限は、いったいどのように正当化されるものなのであろうか?また、
とりわけ自衛戦争を戦っているウクライナにおいて、兵役拒否をすることは、リアリティのないこと、あるいはそもそもあってはならないことなのだろうか?
戦時下の国家で兵に取られそうになった時、嫌だ!と答えた人たちは昔から世界中に大勢いる。
その人たちは、正面から兵隊にならない銃を持たないと答えた人たちと、兵隊にされる前に逃げた人たちに分けられて、前者を良心的兵役拒否、後者を兵役忌避と呼ぶ。
近年では両者をまとめて兵役拒否と呼ぶこともある。私たちがいるこの国にももちろんいた。
ただし私たちのいる国では兵役忌避の方が比較にならないくらいに多い。逃げ方は様々だ。
養子になったり徴兵制が施行されていない地域へ籍を移すといった制度上の抜け道が使えた期間は短く、自分の体を傷つけたり文字通り逃げ出したり。
けれども逃げた人たちは逃げたこと自体を隠したし、戦争中だけでなくその後もずっとこの国は戦争から逃げた人たちを卑怯者と言い続けた。
それは平和を唱える人たちでも変わらない。良心的兵役拒否は死を恐れない立派な行為だが兵役忌避は死ぬのが怖い臆病者と見なしていた。だから逃げた人たちの話は知られていない。
死にたくないのは当たり前だ。誰だって殺される理由なんかない。国を守るためと言えば人々は褒め称えるけど、そんなものは殺されたり殺したりする理由にはならない。
戦争から逃げる、で何が悪い。
戦争から逃げる具体的なやり方を考えてみよう。そのために徴兵忌避を研究している三上真理子さんの話を聞く。
三上さんは茨城の事例も調べているそうなので、私たちの足元から、戦争から逃げるリアリティがどこにあるのか考えてみようと思う。