ルネサンス研究所8月定例研究会 「7月参院選の総括と今後の展望」


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8月9日(火)18:30開始(3時間弱)
オンライン
参加費¥500
報告者:大谷浩幸(『共産主義年誌』編集委員会)
主催:ルネサンス研究所
連絡:renaissanceinstitutetokyo@yahoo.co.jp「参加希望」のメールをお送りください。こちらからの確認メールで資料代の払い方をご案内します:

先月、参院選の結果が出た。自民党8議席増(63議席)、公明党1議席減(13議席)、立憲民主党6議席減(17議席)、日本維新の会6議席増(12議席)、国民民主党2議席減(5議席)、日本共産党2議席減(4議席)、れいわ新選組3議席増(3議席)、NHK党1議席増(1議席)、参政党1議席増(1議席)、社民党増減なし(1議席)という内訳だ。
岸田自公政権の勝利であり、日本維新の会の躍進であり、その他の野党の後退、そして左右の新興ポピュリスト政党の登場ないし定着である。
有権者の投票行動は右翼・中道・左翼の三分岐を示していると思われるものの、改憲を目指す諸政党が参院の三分の二を占めるようになり、これと闘う陣形の再構築が求められている。どうしたら良いのか。
また参院選投票日の直前には奈良県での遊説中に安倍晋三元首相が自製の散弾銃で銃撃され死亡するというショッキングな事件が起きた。
当初は自民党に反発する者による政治テロと見なされ、民主主義への重大な挑戦と短絡的に受け止められたが、報道が進むにつれて旧統一協会(世界平和統一家庭連合)に対する恨みを募らせた者による犯行であることが明らかになり、自民党支持者の間には動揺が拡がっている。
岸信介以来のつながりが知られている旧統一協会(国際勝共連合)と自民党との癒着はどこまで暴かれるのか。これは戦後日本政治の大転換をも予感させる激動の始まりではないのか。皆さんで議論しましょう。
「7月10日投開票の参議院選挙は、終盤の安倍元首相の奈良での選挙応援演説中の暗殺事件という前代未聞の事態が生じる中で、ほぼ事前のマスコミ予想通り、自民党が改選過半数となる63議席を獲得して大勝した。
しかし自民党は比例では1議席を減らしており、とりわけ1人区32議席中28議席を取る圧勝が大きかった。今回は野党共闘が連合の吉野会長の共産党との野党共闘批判発言があり、野党統一候補の擁立が進まなかったことが自民の大勝を許した面もあった。
他方、この選挙は新しい政治情勢の到来を感じさせる面も示した。公明党や共産党などの既存政党が議席を減らす一方で、れいわ新選組が3議席を獲得したり新政党の参政党が初議席を獲得したりとポピュリズム政党が伸びた。
そして、党の存亡がかかった社民党が1議席を死守し、政党要件もクリアして生き残った。議席を減らした立憲民主党は野党第1党の座を守りはしたが、各種世論調査で維新に抜かれることが増えてきて、その座も怪しくなっている。
そして、選挙戦終盤に起きた安倍元首相暗殺事件である。犯人が旧統一教会の被害者だったことから、自民党と旧統一教会の密接なつながりが次々と暴露され、さらに安倍国葬が世論を2分する事態になり、岸田内閣支持率も急落している。自民党内で安倍派の力が弱まるのは確実で自民党も大きく揺れ動く事態となりかねない。
野党再編というのもあり得るしポピュリズム勢力の台頭もあり政治情勢は極めて流動的である。参院選挙結果を押さえつつ次の政治情勢を読む手掛かりを探っていきたいと思います
(大谷浩幸)」

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