ルネサンス研究所 新年1月定例研究会 菅孝行『演劇で〈世界〉を変える 』(航思社)を読む


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1月11日(火)18:30開始(3時間弱)
オンライン(後述の方法で参加予約を頂いた方に招待メールを送ります)
資料代:500円
報告:本橋哲也(国際演劇評論家協会・日本センター会長、東京経済大学教員)著書に『思想としてのシェイクスピア』、訳書に『スピヴァク、日本で語る』など多数。
リプライ:菅孝行(劇作家・評論家)
主催:ルネサンス研究所
連絡:renaissanceinstitutetokyo@yahoo.co.jp 「参加希望」のメールをお送りください。こちらからの確認メールで資料代の払い方をご案内します
昨年秋に航思社から菅孝行『演劇で〈世界〉を変える 』が刊行されました。
戦後日本の演劇人である鈴木忠志(1939-)を取り上げた本書は、「〈世界水準〉に達している日本の演出家は、鈴木忠志だけだ」と言います。
この本は「鈴木忠志のこれまでの活動と、東西の古典劇や歌謡曲を再構成した独創的な作品を、時代背
景とともに精緻に分析、「世界認識の媒介」あるいは「世界批評」「世界変革」としてのありようを剔出する」ものです(帯文より)。
ハリウッド映画とディズニーランドとジャパニメーションによって世界中の想像力が「分かりやすい物語」、「感動できるストーリー」、
「萌え」へと還元される時代に、私たちはどうすれば自らの想像力を取り戻すことが出来るのでしょうか。
私たちが自らの想像力を取り戻すとき、社会変革の課題と方向性はどうなるのでしょうか。
今回の定例研究会は、国際演劇評論家協会・日本センター(日本支部)会長の本橋哲也さん(東京経済大学教員)を招いて合評会を開催します。
菅孝行の演劇論・身体論=革命論の到達点は今どこにあるのか?
2021年は早稲田小劇場結成から56年目に当たる。かつて鈴木とこの劇団の耳目をそばだたしめた活動といえば、1972年、『劇的なるものをめぐってII』の
テアトル・デ・ナシオン(パリ)での上演、74年、岩波ホールの芸術監督に就任した鈴木忠志演出の『トロイアの女』の上演、76年の利賀(富山県)への拠点の移
動、82年からの利賀フェスティバルの開催などだろう。
その後、鈴木は90年に水戸芸術館(ACM)の創設(…)、さらに静岡県舞台芸術センター(SPAC)で、芸術総監督制の本格的なモデルの確立に力を注いだ。
2007年SPAC芸術総監督の退任後は、創造拠点としての利賀芸術公園のさらなる拡
充に力を注ぎ、(…)2019年に開催した第9回シアター・オリンピックスは、鈴木の劇団SCOTが築き上げた力の総量を、
拠点の劇場から世界に発信する機会ともなった。
鈴木忠志の軌跡は、鈴木忠志が「演劇人」の枠には収まらない、演劇を媒介に想像力の圏域で世界と闘う人間であることを示している。
その闘いは個人のものではなく、集団のものである。以下の7章で、闘いがどのように始まり、どのような経過を辿って今日に至ったのかを記してゆきたい。
――菅孝行『演劇で〈世界〉を変える 』第I章より

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