ルネサンス研究所6月定例研究会 「マルクス主義と精神分析の出会い――アルチュセールとラカン」


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6月13日(火)18:30開始(3時間弱)
会場:専修大学神田キャンパス7号館782教室 &オンライン
資料代:500円
コメント:高橋順一(ドイツ哲学研究者・早稲田大学名誉教授)/
著書に『ヴァルター・ベンヤミン解読―希望なき時代の希望の根源』、訳書にアドルノ『ヴァーグナー試論』(作品社)など。
リプライ:伊吹浩一(フランス現代思想・専修大学講師)
主催:ルネサンス研究所
連絡:renaissanceinstitutetokyo@yahoo.co.jp こちらからの確認メールで資料代の払い方をご案内します。
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ルネ研の運営委員でもある哲学研究者の伊吹浩一さんが博士号論文を書籍として刊行した。
『はじまりの哲学――アルチュセールとラカン』(社会評論社)である。享楽社会論など近年ラカン理論による現代社会分析が活況を呈している。
ポピュリズムの台頭や情報社会の加速、VR(ヴァーチャルリアリティ)の実用化など、
新しい政治現象や文化動向を分析する理論として再度注目が集まっている。
フランスのマルクス主義哲学者アルチュセールは、
スターリン批判以降のマルクス主義哲学の再建のためにフロイト精神分析学とりわけラカン理論を摂取し、
国家イデオロギー装置論の彫琢に活かした。21世紀の今日ラカンを読み直すことで批判理論はどのような飛躍を期待できるのか。
今回はドイツのフランクフルト学派の研究者である高橋順一さんを招き、コメントを頂く。著者のリプライを受けて大いに議論をしましょう。

「本書は、アルチュセールの「はじまり」をめぐる思索と実践の軌跡を、様々な角度から検討していくことを目的にする。
困難な状況の中、精神分析はアルチュセールの理論活動の「はじまり」の駆動力となり、その後のアルチュセールの理論活動全体を通じて大きな参照軸として据えられ、
着想の源泉となっていたが、そこにおけるラカンからの影響は特筆に値する。それは同時に、精神分析は臨床のために開発されたものではあっても、
他の領域でも大きな力を発揮する、驚異的に射程の広い理論であることを証している。しかし、アルチュセールの理論はその「はじまり」を示すことしかしなかった。
そこからの前進はなされることがなかった。それゆえ、本書の目的の一つはアルチュセールが開いた端緒から、それを引き継ぎ、さらなる展開へと歩みを進めることである。
とりわけアルチュセールが提起し、解明し切れなかったイデオロギーに関する問題を再度精神分析理論に接合し、徹底的に究明する企てを敢行する
(伊吹浩一『はじまりの哲学』の「序」より抜粋)」。

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