9月11日(金)18:30~
会場:東京・全水道会館4階小会議室
資料代¥500
講師:寺本勉(ATTAC関西グループ事務局員)
世界中で「異常気象の日常化」の激発、新型コロナウイルスの感染が拡大しています。この現象は、どのように考えればいいのでしょうか。私たちは、グローバル資本主義システムが温室効果ガスを排出し続け、「開発と成長」と称して環境破壊、生態系破壊を繰り返し、生物多様性を減少させてきた結果として、今日の気候危機とコロナ危機があるのだと言えます。そのうえで根本的な社会―エコロジー的転換が必要だと考えます。
日本の気候危機は、すでに冬の厳しい寒波に始まり、夏には記録的な猛暑・豪雨、そして巨大台風の上陸と立て続けに異常気象に見舞われました。さらに今年の7月も九州地域における豪雨によって被害が拡大しています。やはりこの背景には、地球温暖化に伴う気温の上昇、日本周辺での海水温上昇による水蒸気量の増加があることは明らかです。
世界的に見ても、北半球が記録的な高温となり、北極圏でも30℃を超えるかつてない高温を記録しました。各国で高温・乾燥による山火事も多発しています。
COP25(国連気候変動枠組条約締約国会議/スペイン・マドリード/2019.12)では「国別の温室効果ガス削減目標を引き上げる機運の醸成」と「市場メカニズムによる排出量取引のルール作り(パリ協定第六条の具体化)」を獲得目標にしていました。
すでにCOP24を前に公表されたIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)特別報告書は、パリ協定で目標とされた1.5℃の気温上昇にとどめるには、世界のCO2排出量を2030年までに45%削減(2010年比)し、2050年ごろまでに実質ゼロにする必要があると強調していました。
だがCOP25は、国別削減目標の大幅な引き上げを明確に義務化することはできませんでした。「各国の事情に応じて」とか「可能な限り」とかの表現を用いて、削減目標の引き上げを事実上回避できる内容です。
日本の小泉環境相は、COP25で脱石炭や削減目標引き上げを表明できず、環境NGOから「化石賞」を受賞するほどです。そもそも日本政府は、「第五次エネルギー基本計画」(2018年7月)で2030年における電源構成の中での原発の比率を20年22%、化石燃料の比率を56%にするという目標を掲げ、脱化石燃料にも、脱原発にも真剣にとりくむつもりがないことを明らかにしています。
その現れとして安倍政権は、東京五輪と「復興」をリンクさせ、福島第一原発事故などなかったかのようにキャンペーンを繰り返しました。ところが新型コロナウイルスの感染拡大によって延期に追い込まれ、今度は「ウイルスとの闘いに打ち勝って五輪を成功させたい」などととんでもないことを言い出しました。環境破壊、カネの無駄遣い、コロナ感染拡大へと導く東京五輪は中止にし、気候とコロナ危機によるすべての被害者に援助を強化していくことが必要です。
寺本さんは、「気候危機」に立ち向かうためにクライメート・ジャスティス(気候正義)運動、「システム・チェンジ」を目標としたエコ社会主義(社会主義とエコロジーを結合させた新たな社会の展望)の取り組みを提起しています。 講座は、地球温暖化STOP、クライメート・ジャスティス運動、コロナ危機に立ち向かう入門編として設定しました。ぜひご参加ください。
主催:アジア連帯講座 東京都渋谷区初台1-50-4-103 新時代社気付
連絡TEL:03-3372-9401 FAX:03-3372-9402 ブログ「虹とモンスーン」 http://monsoon.doorblog.jp/