ジュゴンの海通信より要約転載
辺野古新基地問題の原点 怒りの県民大会から25年
1995年沖縄で、海兵隊員3名が小学6年生の女子児童をレイプした。米軍は日米地位協定を盾に、犯人の引き渡しを拒否。沖縄人民の怒りは爆発し、「米軍人による少女暴行事件を糾弾し日米地位協定の見直しを要求する県民大会」が行われた。
日米両政府は「沖縄合同委員会=SACO」を立ち上げ、基地の整理縮小を約束したが、アメリカは普天間基地など11カ所を返還するにあたり、代替施設を要求した。老朽化した基地を造り変え、基地の機能強化、拡大を日本の税金で賄い、新しい基地に移転する目的だ。
2004年、小泉政権は辺野古基地建設に着手したが、現地闘争で止めた。2010年、仲井真知事は普天間基地の辺野古移設反対を公約に当選したが、13年、辺野古埋め立てを承認。安倍政権は、14年から本格的に工事再開を強行した。
14年、翁長氏が「辺野古移設反対」を掲げ当選。辺野古埋め立て承認を撤回する裁判を提訴。沖縄防衛局は2017年、護岸埋め立て工事を開始。翁長知事は最高裁判決を受け、「辺野古埋め立て承認撤回」裁判を進めたが、2018年に逝去した。
同年、玉城デニー知事が誕生する。石井国交相は「玉城知事の埋め立て承認撤回の効力を停止する」裁決を下したが、玉城知事は「同じ政府閣内での裁決は自作自演」と批判し、国土交通相の「裁決無効」を求め裁判中だ。
安倍政権は、玉城知事の違法工事停止命令の行政指導を無視している。この間、沖縄では県知事選、衆議院補選、県民投票、参議院選で基地反対派が勝利し、辺野古埋め立て反対のオール沖縄の民意は益々強固になっている。
安倍首相が仲井真知事と確約した「普天間の5年以内の閉鎖状態」は、5年を迎えた2019年2月を経過しても、日米合同委員会で議題にすらなっていない。
安倍首相は「普天間基地の危険性除去のために辺野古移設が唯一の解決策だ」と繰り返し主張し、普天間問題を矮小化している。
仮に辺野古基地の完成を待つならば、活断層、高さ制限、マヨネーズ状軟弱地盤の問題を解決しても完成まで約15年かかる。逆にいえば宜野湾市民に「危険性の除去」の為に15年間危険に晒し市民に辛抱を強いることになる。安倍政権が宣伝する「1日も早い普天間基地の危険性除去と普天間基地の返還」が如何に欺瞞だ。
辺野古埋め立て阻止行動は続く 勝つことは諦めないこと
安倍政権は、工事を進め、反対しても無駄だという諦めを狙っている。
私たちは埋め立て工事を止めるため、カヌーでフロートを越え作業員に説得活動と抗議を行っている。この活動を海上保安官は「安全確保」と称して連日拘束している。
2004年のボーリング調査阻止行動の際に、海保は「相方が怪我等危険な状態と判断した場合」のみ私たちの行動を制止した。しかし、安倍政権発足以降、海保は前面に出てきて直接行動を制止・拘束するようになった。
政府は沖縄県との工事進行の協議をせず、「目的外使用」の安和桟橋から土砂を運搬船に積み込み、埋め立て区域に投入している。私たちは火・水・金曜日に、安和桟橋に辺野古カヌーを運び、運搬船に接近し出航阻止行動をしている。
カヌーを網に縛りつけ運搬船付近で抵抗すると、海保が飛び込みカヌーを引き離し私たちを拘束したうえで、桟橋の反対側に移動させる。運搬船は出航予告から1時間遅れて離岸。私たちは次の運搬船の着岸まで1時間拘束される。
安和のゲート前では、ダンプカーの積み下ろしを遅らせるために島ぐるみ会議が奮闘している。キャンプシュアブゲート前での毎月第一土曜日の大行動には、1000人の仲間たちが結集している。
辺野古新基地阻止闘争は、安和・塩川ゲート前での運搬船積み込み阻止、安和・シュアブゲート前座り込み、カヌーでの辺野古埋め立て阻止行動と、多角的に行われている。
以下を訴えたい。(1)軟弱地盤に直径2m、長さ90mの抗を7万7千本を打つ地盤整備改良工事は、前例がなく不可能だ。(2)辺野古基地に工期15年、工費2兆5億5千万円をかける必要性は無い。(3)活断層が辺野古弾薬庫付近に走り、危険だ。
沖縄は世界から注目されている。合言葉は「勝つことは諦めないこと」だ。