[社会] 労働者への暴行事件を力ずくでもみ消し図る大阪府警・西成署
大阪府警、傷害の「共同共謀正犯」で稲垣さんを起訴!
大阪府警・西成警察署の労働者に対する暴行事件への4日間連続(12月2〜5日)の抗議行動があったことは前号でお伝えした。大阪府警は12月20日、抗議行動を呼びかけた稲垣浩さん(釜ヶ崎地域合同労組・釜ヶ崎炊き出しの会)を「傷害」の容疑で令状逮捕した。
また、稲垣さん逮捕の前日の19日、西成署はその抗議行動の際のトラブルで、実際に暴行をしたとして、労働者Aさんを逮捕していたことが明らかになった。稲垣さんがAさん他と共謀して暴行を扇動した、というのが大阪府警が書いた逮捕劇のシナリオだ。(編集部)
西成署への抗議高まる中、問われた「罪状」は暴行の共謀?!
大阪府警は稲垣さんを一月七日に、Aさんを八日に起訴した。西成署内で行われた警察官による暴行事件を力づくでもみ消そうとする大阪府警の居直り起訴であり、抗議の声が高まっている。
一二月二八日には、大阪地裁で稲垣さんに対する勾留理由開示公判があった。
「いったい何が理由で大阪府警は稲垣さんを逮捕したのか?」──裁判所が明らかにしたのは、稲垣さんが「連続的に指揮扇動」「労働者数名らと共謀」して傷害を負わせた、とするものだった。
弁護側は、稲垣さんは西成署前にとめた宣伝カーの側で、ずっとマイクを握っていたのであり、抗議行動におけるトラブル時には「手を出したらアカン」とはっきり口にしていた。どんな事実をもって罪に問うのか?と裁判官に問い質した。しかし裁判官は終始「捜査に関わることなので、明らかにすることはできません」。
「では、稲垣さんを有罪に問う証拠はあったのですか?」との質問にも同じことを繰り返すばかり。裁判所が肝心な点を「黙秘」してどうするのだろう。弁護側の質問にちぐはぐな答えを返す裁判官に対し、傍聴席から失笑や怒りの声が上がっていた。
稲垣さんは公判で、「この逮捕は西成警察署の弾圧であり、(西成署による労働者暴行事件に)抗議させまいとする狙いがあると思います」と述べた。
さらに、逮捕される時に手錠を左手が逆(右手の掌と左手の甲を合わせる形)になるようにかけられ、府警の人間が「最近、手錠のかけ方がこういう風に変わったんや」(後から確認したところ、もちろんそういう事実はない)とウソを言ったり、弁護士の接見時に「ボールペンはあかん」と持ち込みを禁じられた等、稲垣さんへの様々な嫌がらせが行われていることが明らかにされた。
常軌を逸した権力の暴走に反撃を!
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