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2016/2/22更新

関西電力高浜原発

1・24高浜原発再稼働を許すな!!全国集会 現地報告
再稼働反対の声全国から

1月29日、関西電力は、高浜原・原発3号機を再稼働させた。免震重要棟の設置義務は免除さオ仙事故時の避難計画も不十分なままの再稼働だ。

安倍政権は、川内・高浜と再稼働を強行することで、「3・11」の経験を握りつぶし、原子力マフィアの権益を守るためだけに、輸出も含めて「何が何でも原発推進」の姿勢をあらわにした。

高浜原発再稼働を目前にした、「1・24高浜原発再稼働を許すな!全国集会」の報告と決11さらに「1・27高浜原発再稼働を許さない!関電包囲全国行動」を合わせて報告する。(編集部)

※ ※ ※

「高浜再稼働は28日か29日」という情報がマスコミで流される中、直前の日曜となる1月24日に高浜現地でおこなわれた「1・24高浜原発再稼働を許すな!!全国集会」(主催・同集会実)に参加した。天気予報は、各地で厳しい寒さと雪に見舞われていると伝え、私たちがこれから向かう福井も「夕方から暴風雪の恐れがある」と伝えていた。

結果的には、私たちが集会とデモを終え帰路についても雪が降ることはなく、参加者は胸をなでおろした。それでも風は冷たく寒さが厳しい中を、大阪・兵庫・神戸をはじめとする関西各地、さらには九州・東京など、全国から多くの人が集まった。

実はあとで分かったことだが、高浜近辺のトンネルで凍結による事故が発生し、道路が大渋滞を起こしていたそうだ。「大雪に閉じ込められれば避難困難である、という現実があります」(中嶌哲演さん)。

県道を封鎖する警察

まずは、高浜原発北門から200メートル足らずの距離にある小さな展望公園で前段となる現地集会が行なわれた…のだが、高浜原発に向かう福井県道149号は、警察によって検問や車線封鎖(片側一車線しかないのに!)がされており、公園に向かうまで大変な時間をかけさせられた。参加者の間では「警察は、『オキュパイ大飯』の闘いの再現を何としても防ぎたいんだろう」という声が上がっていた(高浜原発から東に15キロメートルの距離には、3・11後に初めて再稼働した大飯原発があり、2012年6月30日〜7月1日には大飯ゲート前を占拠する『オキュパイ大飯』が闘われたのは、まだ記憶に新しいと思う)。

動員された警官隊も、私が確認できただけでも、地元・福井県県警をはじめ、愛知県警、石川県警からも動員されていた。

現地集会参加者は、北門ゲート前で関電側に申し入れを行い、思い思いのプラカードや旗を掲げ、「再稼働反対!」「原発いらない!」などの抗議の声をあげた。

交付金の威力を実感

午後2時からは会場を高浜町文化会館大ホールに会場を移して、「1・24高浜原発再稼働を許すな!! 全国集会」が行なわれた。この会場の文化会館の建物が非常に立派だったことに驚いた。バスから降りて会場に入っていく参加者は、建物を見て、「ホテルか大学みたい」「原発のお金ってすごいね」と感嘆していた。電源立地地域対策交付金でここまで立派な建物が建てられるとなれば、財政難に苦しむ地方自治体にとっては魅力的に映るのだろう。

ちなみに、文化会館に隣接して町立中央図書館があるのだが、この建物も真新しくて立派なもの。中に入った人の話によると、ほとんどの本に「電源立地地域対策交付金」で購入したことを示すハンコが押されているという。「絵本にもしっかりと押されてあり、子どもの頃から原発なしではやっていけないんだよ、と刷り込んでいるようで嫌な感じがした」そうだ。

再稼働されたからといって諦める現地ではない

全国集会では、関西各地での「再稼働反対」の取り組み、川内・伊方・福島・大間からの報告がおこなわれた。

それぞれの発言を詳しく紹介するのはスペースの関係でできないけれども、異口同音に指摘されていたのは、@プルサーマル発電の危険性、A再稼働の最低限の条件の一つである免震重要棟が建設されていない、B避難計画がずさんで現実性がない、という点だ。

「ストップ川内原発!3・11鹿児島実行委員会」の野呂正和さんは、「『反原発」の闘いの中で、我々はクレバーになった。交渉の場で国・九電は、私たちの質問にきちんと答えたり発言することができない。私たちの取り組みは決して負けていない。再稼働されているからといって諦めている現地じゃない。これからも共にがんばろう!」と檄を飛ばした。

高浜原発をめぐるこれからの取り組みとして提起されたのは、@高浜原発差し止め本裁判の提訴、A今年4月からの電力自由化で、原発電気でない新電力を選ぼう、との2点。

Aの電力自由化については、すでに大阪ガスやauなど他業種大手が名乗りをあげており、原発再稼働を進める電力会社を慌てさせることができるかもしれない。

今・これから何をなすべきか

しかし、大飯・川内・高浜と再稼働を結果的に許してきた側の人間である私の個人的感想を言えば、大量生産・大量消費・大量廃棄のサイクルの中にある私たちの生活様式を、社会的に根本的に改める必要がある、ということだ(本紙『時評短評』欄で大今歩さんが主張してきたことも大いに参考になると思う)。多くの人たちが創意工夫・試行錯誤をしながら、経験と闘いを積み重ねてきた。またここから「再稼働を許さない」ために、私たちは何をするべきなのだろうか。

もうすぐ「3・11」から5周年。「脱原発」の民意を現実にするために、これからも力をあわせよう。

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