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2015/12/23更新

沖縄・辺野古

「この闘いで基地建設を止められる!」と確信
オール沖縄の新たなうねりで安倍政権との対立が激化

辺野古での弾圧が激しさを増している。11月4日には警視庁が機動隊を派遣。暴力的な座り込み排除で、逮捕者・けが人も続出。海上での海保による暴力も、収まる気配がない。

11月21日に行われた「辺野古埋め立て阻止!沖縄にも京都にも基地はいらない!」(ひと・まち交流館京都、主催=No Base! 沖縄とつながる京都の会)での山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)の講演と、「辺野古基地建設強行糾弾!12・5緊急関西集会」(エルおおさか、共催=沖縄意見広告運動/「しないさせない!戦争協力」関西ネットワークほか)での伊波洋一さん(元宜野湾市長)の講演を紹介しながら、沖縄の今をお伝えする。

辺野古の闘いは、沖縄の誇りと自然を守る闘いであるばかりではなく、日本の民主主義と平和を守る闘いでもある。(文責・編集部)

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「それでも日本人か?!」「お前は犯罪者だ!」─辺野古を警備する警官や海保職員の暴言だ。いま、辺野古のキャンプ・シュワブゲート前では、警視庁機動隊を先頭に、座り込み強制排除が連日のように行われている。沖縄の民意よりも、あくまで辺野古新基地建設を優先する安倍政権は、連日暴力による座り込み排除や逮捕を行い、けが人も続出している。

10月から座り込み現場に復帰した山城博治さんは、「座り込みする市民が、肋骨を折られた、喉にひざを当てられ意識不明になった、というケースも珍しくありません。そうした権力の暴言・暴力に対して、歯ぎしりをしながら、涙を流しながら座り込みを続けています」と語る。

ゲート前では毎週水曜に、早朝から工事車両の入場を阻止する座り込み「水曜行動」を行っている。最初の水曜行動となった11月11日には、450〜500人が集まり、朝7時から15分かかって排除されていたものを、その日は8時半までかけさせた。「水曜行動は、『この闘いで、本当に基地建設を止められる』という確信を持つに至った、大きな飛躍となりました」(山城さん)。

ゲート前座り込みは、11月18日で500日を迎えた。沖縄各地からバスで駆けつける人たち、県外、さらには国外からやって来る文化人、反戦活動家、退役軍人などの個人・団体・TV局が、辺野古の座り込み現場を訪れている。

「今後、機動隊の放水車やガス弾が使われるかもしれない。しかし、米軍、機動隊、沖縄防衛局の暴力に立ち向かい、座り込みに参加している皆さんのことを思う時、歴史の局面に立っている自覚を感じている」(山城さん)。

「戦争に行く場所」から「戦場」へ

安倍政権が辺野古に固執する理由は何なのか。元宜野湾市長・伊波洋一さんは、「強大な国になっていく中国に対する安全保障の枠組みの中で、日本が米軍の戦略の中に位置づけられる道を選ぼうとしているから」と指摘する。

アメリカにとって、中国の経済力は頼らざるを得ない存在となった。軍事力も、すでに格下の存在ではなくなっている。

そこでアメリカは、万一中国と戦争になった場合でも、全面戦争となることを避け、南西諸島と日本全土で戦争を収束させる「限定戦争」の戦略を考えている。

海上自衛隊幹部学校が年2回発行している『海幹校戦略研究』という論文集に、そうした米国の翻訳論文が数多く紹介されている(ネット上で閲覧可)。例えば、『海幹校戦略研究』には、元海兵隊で米国防大学戦力研究センターのC・ハマスの論文要旨が掲載されている。

「オフショアコントロール(海上貿易の阻止)は、中国のインフラを破壊しないことにより、紛争後の世界貿易経済の回復が促進される。経済的な現実として、グローバルな繁栄は中国の繁栄に依存する、ということである」。

したがって「尖閣を守れ」「中国の領海侵犯を許すな」の掛け声の下に進められようとしている「島しょ防衛」は、アメリカの戦争を肩代わりするだけのシロモノだ。米軍は尖閣も日本も守らない。「危険をつくり出しているのは、米軍・国だ。有事になったら核兵器が使われ、一瞬で終わってしまう」(山城さん)。

「これまで在沖米軍基地は、《戦争に行く場所》でした。しかし今は、《沖縄が戦場になる》前提で訓練をしています。南西諸島に自衛隊の基地をつくり、集団的自衛権を行使できるようにし、日本の国土を戦場にすることを前提としながら、アメリカに奉仕する国に、その安全のために捨て石になろうとしています」(伊波さん)。

沖縄とつながろう!

「辺野古に基地はつくらせない」との公約を掲げて当選した翁長知事も、現場での闘いに支えられながら、国と対峙している。12月2日の「辺野古代執行裁判」の第1回口頭弁論で、「日本政府によって、『海上の銃剣とブルドーザー』を彷彿させる行為で、耐用年数200年ともいわれる基地が造られようとしている。米軍施政権下と何ら変わらない。日本には、本当に地方自治や民主主義は存在するのか」と訴えた。

また、辺野古新基地建設反対運動のさらなる発展をめざす「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」が結成され、12月14日に宜野湾市内で、1300人の参加で結成大会が開かれた。大会には翁長知事や稲嶺名護市長も出席。「大衆運動こそが一番大きな力。オール沖縄会議がそのまとめ役になる」(名護市長)との発言どおり、オール沖縄会議は、辺野古新基地建設工事強行がいよいよ本格化しようとする中で、こうした事態にきめ細かく対応できる統一的な体制をつくっていく予定になっている。ゲート前や海上での非暴力抵抗運動が、より効果的、創造的に発展することが期待される。「ギシギシ音を立てながら、オール沖縄が動き始めています」(山城さん)。

辺野古反対の沖縄と、推進する安倍政権について伊波さんは、「私たちのこれまでの流れの中で、ますます沖縄と日本政府との対立が激化している」と分析する。山城さんも、「日本政府そのものが、私たちに迫ってきている構図。差別し続ける日本政府との闘いだ。多くの皆さんに、ぜひ辺野古に来てほしい」と訴える。

沖縄だけではなく、日本全土を米中の「限定戦争」の戦場にしようとする米国に、ひたすら追従する安倍政権。それぞれの地域・現場で、「辺野古に絶対基地はつくらせない!」との沖縄の闘いにつながっていこう。

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