沖縄レポート辺野古便り（下）

沖縄戦と朝鮮人強制連行を記録する会／辺野古カヌー隊金治明

「沖縄レポート」の前号の続きをお届けする。戦争法案の強行採決と軌を一にするように、辺野古・座り込みへの安倍政権の暴力的な弾圧もエスカレートしている。（編集部）

①Ｋさん

済州島カンジョン村に建設されようとしている「海軍基地」反対闘争を担っているＫさんが、キャンプ・シュワブ前での抗議活動中、名護署によって「公務執行妨害罪」で不当逮捕されました。

９月22日早朝、シュワブ作業者専用ゲート前の座り込みを、Ｋさんと身重の連れ合いさんが横に立って見守っていたところ、７時過ぎに警察官による座り込み排除の混乱に巻き込まれ、彼女が警察官によって押さえつけられる事態になりました。

Ｋさんはとっさに救い出そうと反応。Ｋさんは警察官から首を後ろから羽交い締めされました。その後、３名の警察官によって身柄を拘束されて、手足をばたつかせた。そのはずみで足が警察官の太ももに当たったものが「足で蹴った」とされ、「公務執行妨害」となった。

※韓国では、女性への規制は女性警官が行うのが常で、男性警官が女性を掴んだり抱きかかえることはあり得ない。身重の連れ合いさんを守ろうとしたのはもちろん、彼女が男性警官に組み伏せられたことに咄嗟に反応したのは、そうした文化を背景にした感情がＫさんを突き動かした面が大きい。

那覇地裁は当初は勾留延長をせず、２泊３日後にＫさんの身柄を釈放すると思われました。しかし、那覇地検が「準抗告」。その理由が何と「逃亡の恐れがあり」のへ理屈。10日間の勾留延長となってしまいました。

その後、Ｋさんは10月２日に20万円の罰金刑に処され、翌日、済州島に帰国しました。（平和の海国際キャンプイン沖縄準備チーム文書参照）

②Ａさん

戦争法の強行採決以後、辺野古キャンプ・シュワブゲート前、および海上行動での警察、海上保安庁の弾圧（確保多発）が厳しくなってきています。

９月19日午前７時半ごろ、キャンプ・シュワブゲート前付近で「工事車両が基地内に入ることを妨害した」とし、Ａさんが「公務執行妨害」で逮捕されました。警察はＡさんを逮捕する際に、車の窓ガラスを割って車中に入りこみ、「制圧！」と叫びながら、強引に逮捕したのです。

本年に入り、ゲート前での不当逮捕された仲間は、山城博治氏をはじめ11名になります。全員微罪で１泊２日～３日の勾留（起訴猶予）でした。しかし、19日から、Ｋさんは勾留期間13日・20万円の罰金刑、Ａさんは23日の長期勾留を強いられ、40万円の罰金刑となりました。安倍政権は、戦争法強行採決の余勢を駆って、運動潰しの弾圧を強化してきたのです。

安倍政権は集中協議決裂、戦争法案強行採決と数の力で押しまくっています。今後、弾圧強化、民意無視、工事強行されても、私たちは全力で阻止します。

人民新聞オンライン