2015/2/28更新
福島原発告訴団 地脇 美和
福島県郡山市で「あきれ果てても、あきらめない検察に良心はないのか! 2・15福島県集会」を開催しました。県内外から200人以上の参加がありました。
海渡弁護士から、検察審査会に提出する「上申書」の原案に沿って、「2015年第2次告訴」の説明と、東京地検の「2回目の不起訴処分」の不当性についての解説がありました。保田弁護士からも不起訴の不当性の説明があり、「これからも弁護団は力強く支えていく」との宣言がありました。
その後、サイエンスライターで国会事故調の協力調査員を務めた添田孝史さんから、「地震と大津波、警告を葬った人々」の講演が行われました。
検察の第一次不起訴処分には、2点の重大な事実誤認があることを指摘され、検察による不起訴決定を強く批判し、検察審査会の議決は「明快」である、と評価されました。
批判の第1点は、福島県沖海溝沿いにおける津波地震の発生を予測した専門的知見として、長期評価以前にも「太平洋沿岸部地震津波防災計画手法調査」(いわゆる「7省庁手引き」)が存在していたこと。
第2点は、政府の地震調査研究推進本部が、2002年7月に、福島第一原発の沖合を含む日本海溝沿いでマグニチュード8クラスの津波地震が30年以内に20%の程度の確率で発生する、と予測しました。検察は、「この見解を取り入れて対策工事をした原発はない」と言いましたが、それは事実に反しています。日本原電東海第二原発や東北電力女川原発では対策工事がなされ、ぎりぎりのところで事故を未然に防いだのです。
また、衝撃的だったのは、2000年に作成された電事連の「津波に関するプラント概略影響評価」です。その中で、福島第一は日本一津波に脆弱であることが示されていました。
この報告は、1997年6月の通産省の指示に対応して、2002年2月に電事連内の総合部会に提出されたものです。全国の原発の中で、想定値の1・2倍で影響があるとされているのは、福島第一と島根1、2号の2原発だけなのです。つまり、東電旧経営幹部らは、既に2000年の段階で、福島第一原発は全国の原発の中で最も津波に脆弱な原発であることを知っていたことになります。
にもかかわらず、東電は、この「影響評価」をなきものとするため、土木学会の津波評価部会に検討を依頼し、時間稼ぎをしました。この土木学会は、電力関係者に牛耳られ、完全に電力によってコントロールされていました。
添田さんから次々と明かされる衝撃の事実。東電は「津波の危険性を認識し、対策にコストがかかることから、その危険性を故意に隠ぺいし、データをごまかし、対策を怠ってきた」わけで、会場には怒りが満ちていきました。
その後、告訴人から代表者4人が発言しました。富岡町から会津若松市に避難した古川さんは、「『不起訴って、あいつらは悪くないってことですか?!』─これが、不起訴処分の第一報を聞いたときの私の感想というか、怒りです!!」と語気も強め、憤りをあらわにしました。
最後は、講談師の神田香織さんが、福島由来の講談を全国に広げ、古里(コリ)原発反対のために韓国・釜山でも公演を行うことを明らかに。「政治家たちが仲が悪くとも、私たち市民はどこまでも国籍を超えてつながっていき、必ずや原発をなくしていきましょう!」の声に、大きな拍手が起こりました。
2回目の東京第5検察審査会の審議に向けて、正義を求める声を高めてまいりましょう。ここで「起訴相当」の議決が出れば、「強制起訴」になり、裁判が開始されます。
また、「2015年第2次告訴」の告訴・告発人の募集を開始します。事故の責任追及の運動にご参加ください(告訴団ブログをご覧ください)。
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