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2014/5/4更新

前号に続き、江西財経大学生による「平和への提言」を要約・紹介する。スピーチコンテストで優勝した譚松君は、バスケット選手。ネットで日本と中国の報道を読み比べ、事実を掴もうとしている。(山田)

平和への提言A

スポーツ精神に学ぼう

江西財経大3年  譚  松さん

若者は、スポーツが大好きです。私もその一人です。自分の全てを出しきって、競い合いながら、競争相手を100%尊重する素晴らしさ。選手たちが、ギリギリの状態でも自分を信じ、困難を乗り越えようとする精神には、本当に感動させられます。

中国の代表スポーツは、卓球です。その卓球界で注目されてきた選手に、日本人の福原愛さんがいます。愛さんは中国人コーチに鍛えられ、中国卓球スーパーリーグに加入して、実力をつけてきた選手です。

ここで私の思い出話をお聞かせしましょう。2010年アジア競技大会の時、私と姉は、テレビで卓球の試合を観戦していました。愛さんと中国選手の郭躍さんの準決勝です。愛さんは2―0でリード。対する郭さんも全力で、互角の戦いを繰り広げました。結果は、3―4で郭躍さんが勝ちました。

その時、姉が「惜しいね〜」と呟いたのです。「中国選手が勝ったんだぞ。喜ぶべきだろ」と、私はムッとして言いました。その時私は、「中国人は中国チームを応援するのが当然だ」と思っていました。さらに言えば、日本選手を見る時、かつて戦争で悪いことばかりしていた日本人の先入観を重ねていたのです。その時の私は、まだ日本語を勉強していませんでした。姉は「あんなに頑張ってたのに」と、私を無視して呟きました。

なぜ、姉は私みたいな反応をしなかったのでしょう。よく考えると、それがスポーツの力ではないでしょうか。スポーツの前には、国境も、肌の色の違いも、どうでもいいのです。人と人を隔てる壁は、全く無意味です。むやみな中傷をせず、正々堂々と競い合うその姿。実はその姿こそ、今の中国と日本に必要な態度ではないでしょうか。

日本語学科の私は、より客観的に日本や日本人を見ることができます。それは、入学以来、日本語や日本について多くを学び、実際に日本人に会う機会に恵まれたからです。中日友好のために何ができるか?私はずっと考えてきました。一人ひとりが、身近な日常の中での出会いを大切にし、スポーツをする時のような純粋さを持って、日本人だの、中国人だのに拘らず、先入観を捨てて交流すれば、中日友好は進むでしょう。

私の周りには、かつての私のような人がたくさんいます。私は、そんな人たちにこそ、丁寧に話しかけていこうと思っております。

平和への提言B

朝鮮族の私が、日本語を学ぶ理由

江西財経大2年  李  雪さん

以前、会話の授業で先生から「雪さんは中国語、韓国語、日本語、英語、4カ国語ができるでしょう。どの言語が一番好きですか?」と聞かれました。私がすぐに「日本語です」と答えると、先生もクラスメートたちも、「へえ、意外だな」という顔でした。「母語である韓国語」という答えを予想していたのでしょう。

どうして日本語が好きになったか自分でも不思議でしたが、今はその答えがわかったような気がします。

私は朝鮮族の出身で、東北地方で生まれ、育ちました。周囲には日本語が話せる人が大勢いて、日本の食べ物や日本文化にも触れ合ってきました。祖母の得意料理は天ぷらや焼きそばですし、私は、日本のアニメが大好きで、アニメとともに成長してきました。私の子ども時代は、日本や日本語に対して、親近感を抱く環境にありました。

大学に入って、偶然、専攻は日本語となりました。これも何かのご縁かな…と喜んで日本語の勉強を始めました。勉強すればするほど楽しくて、日本語に対する情熱はますます燃え盛ってきました。

二年生の一学期には、南昌市内の八一公園の日本語コーナーデビューを果たしました。そこでは、各大学の日本人の先生、会社員、留学生など、多くの日本の方と交流することができ、日本語以外の話題も盛りだくさんで、大変勉強になっています。

昨年の夏休み、私は友達とソウルの景福宮に行きました。途中で、二人の日本人の女性に写真撮影を頼まれたんです。「韓国人ですか?」と聞かれ、「中国人です。韓国には旅行に来ました」と日本語で答え、短い時間でしたが、とても楽しかったのです。

日本人と話す私を見た友達は、「すごい!私も日本語を勉強したいな。教えてくれない?」と、うらやましがっていました。

私はその日の楽しい出会いを反芻して、こう結論付けました。「全く知らない中国人と日本人が日本語を使って交流することで、お互いに理解し、心を伝え合う。こんな楽しくてすごいことができるのも、日本語学科の学生ならではのことだ。これこそ、私たちが中日友好のためにできる大切な役目ではないだろうか」と。

私たちは政府の役人ではありません。世界に影響を与えられる大人物でもありませんが、中日友好のことなら、できることがあります。それは、中日両国をつなぐ橋になって、国民に両国の実情や相違を伝え、理解を深めることです。この役目を果たすためのキーポイントは、とりあえず、日本語の実力です。

これから、もっと真剣に日本語を学び、もっと多くの日本の方とコミュニケーションをし合うこと。私は、そう覚悟を決めて、日々勉強に励んでいます。

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