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2014/5/4更新

Xバンド・レーダー基地建設着工反対!4・20京丹後現地集会

近畿初の米軍基地建設5月着工を許さない!
京都にも沖縄にも米軍基地はいらない!

4月20日、京都・丹後半島の北端にある「宇川農業会館」(京丹後市)で、「京都にも沖縄にもどこにも米軍基地はいらない・Xバンド・レーダー基地建設着工反対!4・20京丹後現地集会」(主催=米軍Xバンド・レーダー基地反対・近畿連絡会)が行われ、地元・京都をはじめ、関西各地から約400人が駆けつけた。

昨年2月、日米両政府が日本国内における米軍のXバンド・レーダーの追加配備に合意してからというもの、防衛省は航空自衛隊経ヶ岬分屯基地の隣接地への米軍基地建設の準備を進めてきた。今年4月に入り、防衛省(近畿中部防衛局)は、基地予定地周辺の4カ所で住民説明会を開催。防衛省は、「5月から一期工事に着工し、今年中にXバンド・レーダーを配備する」と明らかにした。

基地が完成すれば、米軍人・軍属160人が配属される。澄んだ海、白い砂浜で有名な海水浴場や、海食崖や奇岩で絵ハガキのような景観の続く海岸線、棚田や段々畑、アユ漁がおこなわれる川など、豊かな自然を誇る京丹後は、米軍基地建設で一気に緊迫する情勢に置かれる。集会の様子を報告する。(編集部一ノ瀬)


「住民説明会では、米軍への不安の声に対して、『警察がきちんとやりますから安心してください』と言うだけで、具体的な話は何もありませんでした。突然『5月から工事着工する』というのは、本当にひどい話です」(米軍基地建設を憂う宇川有志の会事務局長・永井友昭さん)。

説明会は、説明1時間・質疑応答30分の内容だったが、「米軍の予定が明らかになりましたので、それをお話しします」という一方的な説明。9時になると「明日の授業に差し支えますから」と、一方的に打ち切ったという。

「『責任を持って住民の安心・安全を確保する』と言いながら、説明会の運営そのものが、住民の不安の声に応えるものではありません」(前出・永井さん)。

防衛省がこうまでして着工を急ぐ理由は、23日のオバマ大統領来日に合わせたアメリカ向けのパフォーマンスだ。説明会は、「住民の理解は得られた」というアリバイづくりに過ぎなかった。

「宇川有志の会」では、Xバンド・レーダー基地建設計画が明らかになって以降、地元・京丹後市、特に基地周辺の旧丹後町エリアで「米軍基地反対」を訴えるビラの各戸配布や署名集め、京都府や京丹後市への申し入れなどを行ってきた。

「米軍基地計画撤回要求署名」は、対象地区の有権者数約1000人のうち、560筆が集まった。署名活動の中で、「息子が自衛隊で働いているので署名はできないが、米軍基地には来て欲しくない」と打ち明ける住民もいたそうだ(建設予定地の隣には空自・経ヶ岬分屯基地がある)。

デモに手を振る地元住民/地元と全国を繋ぎ安倍政権に対峙

集会では、沖縄から山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)、岩国から田村順玄さん(岩国市議、リムピース代表)、神奈川から檜鼻達実さん(基地撤去をめざす県央共闘会議副代表)など、各地の反基地運動の報告と闘いへのアピールを行った。

沖縄・山城さんからは、@19日、与那国町で陸上自衛隊の沿岸監視部隊配備に向けた施設建設の着工式典が行われた、A3月27日、沖縄防衛局が辺野古新基地建設に向けた、辺野古沿岸の海底の地質を調べるボーリング調査の入札を公告した、B辺野古での座り込みが10周年を迎えた19日、現地で集会が行われ、辺野古新基地建設阻止への決意を固めたことなどが、報告された。

Xバンド・レーダー

防空用レーダーや戦闘機搭載用レーダーと比べ、高い能力(分解能)を持つ。目標を形として把握できるため、4000`先にある弾道ミサイルの弾頭の探知が可能で、2000`以内なら実弾頭とオトリの識別が可能とされる。弾道ミサイル防衛システムの目標(ミサイルや弾頭)捕捉、弾頭とオトリとの識別、追尾、迎撃ミサイルの誘導に使用される。

波長が短いために大気の状態によって影響を受けやすく、遠方に到達させるには大出力が必要となる。周辺環境への影響を指摘する声もあり、米国防総省ミサイル防衛庁が2006年6月に公表した資料でも、電磁波の影響によって家庭のテレビやラジオへの影響が出る可能性を指摘している。また米本土では、Xバンド・レーダーの配備にあたっては、環境アセスメントの実施が義務付けられている。

日本ではすでに06年6月、航空自衛隊車力分屯地(青森県)に「北朝鮮からの弾道ミサイルの早期探知と精密追尾」目的で配備されている。

さらに、「日米地位協定は米軍を守るためのものだ」と指摘し、「説明会の様子をビデオで見たが、京丹後の状況は沖縄と同じで、怒りを禁じ得ない。言葉と心をつなげば状況は変わる。団結を強め、大衆的な力で安倍政権に対峙していこう!」と訴えた。

岩国・田村さんからは、23日から愛宕山に米軍住宅の建設用地造成工事の説明会が開かれること、6月には沖縄から空中給油機の部隊が、厚木からは米海軍の空母艦載機部隊が岩国に移転する予定であり、岩国基地は機能強化が着々と行なわれている、と報告された。

集会終了後は、久僧海水浴場駐車場から米軍基地建設計画地前を通って、袖志集落東端までの約4キロの道のりをデモした。

集落や畑では、多くの住民が表に出て、デモ参加者に手を振ったり、声をかけるなど、デモを好意的に見物する姿が見かけられた。米軍基地建設に対する地元住民の不安や、その声と向き合う形で、ビラ各戸配布や署名活動に取り組んだ「有志の会」と各地から応援に駆けつけた支援団体・個人による活動の成果が垣間見られた光景だ。

5月の工事着工を目前に、「宇川有志の会」をはじめ、地元・京丹後の住民と連帯して、より広く地元に米軍基地の問題を訴え、全国的な課題として押し上げるための取り組みを今後も続けていく予定だ。

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