2014/4/23更新
南昌に到着2日目。日本語学科学生3人が「大学を案内しましょう」と、半日つきあってくれた。反日デモをどう捉えたのか?学生たちの率直な意見をまとめた。(山田)
学生…尖閣国有化をきっかけとした反日デモが起きた時(2012年9月)、南昌市内でも「八一広場」で集会・デモが呼びかけられました。財経大学内では、それほどの緊張感はありませんでしたが、大学当局は学生のデモ参加を禁止。日本人教師を守るために、出勤に専属のタクシーを用意し、中国人教師が付き添う措置を執り、スーパーの買い物も教師や学生が代行しました。毎週金曜日に校内で行われている日本語コーナーに出席される際も、私たちが交代でタクシーに同乗し、宿舎までお送りしました。
私たち日本語学科の学生は、「関係悪化が続けば就職も困難になる」と心配していました。クラスで話し合ったこともあります。先生たちも心配していましたが「今が最悪だから、これからは良くなるだけだ」と励ましてくれました。
反日デモは、愛国的行為とされていますが、私たち日本語学科の学生は、より客観的・冷静に対処すべき立場です。反日デモに伴う破壊行為は日中問題の解決には役立ちません。暴力行為の被害者には、中国人もたくさんいます。あのような暴力を愛国的とは思えません。
中日関係改善の第一歩は、まず日本が歴史的事実に向き合い、侵略の歴史を認めることです。中国は和解と平和を求めています。故周恩来首相は、「日本の人民も、日本の軍国主義者の犠牲者である。賠償を請求すれば、同じ被害者である日本人民を苦しめることになる」(日中共同宣言時の発言)として戦後賠償を放棄しました。謝罪の姿勢さえ示せば、中国は許します。
両親や友人は、「なぜ日本語を学ぶのか?」と聞きます。私も日本語を学ぶ前は、「日本人は悪い人」と思っていましたが、実際の日本人に接し、日本を知ると、ほとんどの日本人は礼儀正しく、誠意をもって接してくれることがわかりました。
日本語教師の田中弘美先生は、授業が終わると自分で黒板の文字を消し、ゴミを見つけたら拾います。スピーチコンテストでも何度も何度も原稿を添削し、発音やアクセントのチェックをしてくれます。仕事に対する真剣な態度に感動しました。
日本語を学んだおかげで日本の文化や思想を知ることができたし、視野も広がりました。中国だけでなく世界を見て、知る必要を感じています。
インターネットで日本の報道を理解できるようにもなりました。中国と日本双方の報道を見比べて、何が真実か?を追究することもできます。日本の報道は、私の理解を大いに助けてくれています。
安倍首相は靖国神社を参拝し、アジアへの侵略の歴史を認めない立場から教科書の内容を書き換え、憲法を変えようとしています。安倍首相は嫌いです。しかし、安倍首相が高い支持率を維持しています。それは、中国の経済成長に脅威を感じ、アベノミクスという経済成長政策に期待しているためだと思います。
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