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2014/3/25更新

新島襄精神に反する浅野健一教授追放

田所 敏夫(ジャーナリスト)

前例のない65歳での解雇

元共同通信記者で『犯罪報道の犯罪』の著者でもある同志社大学社会学研究科メディア学専攻博士課程の浅野健一教授が本年3月末日で「不当解雇」をされることが確実となった。浅野教授は闇討ち的な「不当解雇」に対し、京都地裁民事6部に昨年末地位保全の仮処分を申し立てており、その決定次第では「復職」の可能性も十分に考えられるが、いったん「退職」を余儀なくされることとなる。

同志社大学では、65歳が定年だが、大学院を担当している教員に限って、70歳まで一年毎に審議の上定年が延長される「定年延長」制度がある。これまで同大学では、自ら定年延長を希望しない教員を除いては、ほぼ全ての対象者が形式的な手続きの上、定年延長が認められてきた。昨年65歳に達した浅野教授は、後述するような同僚の6人の教員たちの強い悪意に満ちた策謀により定年延長が認められず、形式的には3月末日での定年退職を強要されることになる。実質的な「不当解雇」であることは間違いない(なお浅野教授は仮処分に加え、今年2月3日に本裁判の、地位確認請求訴訟も既に提起している)。

同志社大学では例年、次年度の定年延長対象者を11月に開かれる「研究科委員会」(大学院教授会に相当)へ担当科目付きで報告を行い、実質的な審議や議決なしに承認し、翌年2月の理事会で決定するのが慣例であった。

ところが昨年10月末、浅野教授が所属するメディア学専攻の教員たちは、想像もつかない異例の策謀に打って出た。13年度浅野教授はメディア学専攻(専任教員6人)の「主任」(専攻における教育研究の責任者)を務めていることもあり、昨年10月16日の専攻会議で、定年延長については自身と、同様に5回目の定年延長審議の対象者となる渡辺武達教授を外した専攻教員4人にその発議を委ねた。構成メンバーは小黒純、佐伯順子、竹内武長、池田謙一各教授である。

メディア学専攻には1998年以降、博士課程(前期・後期)が設置されており、小黒教授だけは前期(旧修士課程)だけの任用で、他の5人は後期課程の任用教授である。10月30日に開催される研究科委員会で定年延長は審議されることから、浅野教授は10月前半に4人の教員へ定年延長審議への準備を委ねている。

10月27日午前、「臨時専攻会議」議長を努めた小黒教授から浅野教授へ「審議結果のお知らせを先生のメールボックスに入れてある」旨のメールが届く。浅野教授の自宅は千葉県にあり、同日は自宅に滞在していたため、29日朝、大学に出向いた浅野教授は小黒教授から投函された「お知らせ」を目にした。そこには小黒教授が「臨時会議議長」との肩書きで「浅野教授の定年延長を研究科委員会に提案しない、渡辺教授の定年延長を提案する」と書かれており、さらにはその結果を事務室に提出するよう要求する文言もあった。

今後の裁判への傍聴・支援を

「お知らせ」文章の中では、理由は全く述べられていない。文書に「議事録」4枚が添付されていたが、会議の日時、場所が記載されているだけだった。渡辺教授を提案する理由もなく、必須である次年度の院担当予定科目の記載もなかった。

浅野教授は、これでは如何に自身の案件とはいえ、過去の手続きと相反するうえ著しく公平性を欠くことから、メディア学専攻主任として松隈佳之事務長、および冨田安信研究科長に29日11時頃「専攻としては渡辺、浅野両名の定年延長を提案する」と電話で伝え、直後渡辺・浅野両教授の担当科目も明記した文章を事務長に提出した。

10月30日はメディア学専攻の会議が正午から開かれた後に13時から研究科委員会開催というスケジュールであった。前日に「浅野教授定年延長を提案しない」という前代未聞の策謀が発覚し、それを聞きつけた学生たち10名余りが集まり、各自が「要望書」や「嘆願書」を「臨時会議議長」を名乗る小黒教授に手渡し、話をしようと会議の行われる渓水館の入り口や会議室前で待機した。会議開始時間直前に現れた小黒教授に対し学生たちは持ち寄った文章を手渡そうとしたが、小黒教授はそれを一瞥することもなく床に投げ捨て、「まだ何も決まっていませんから」「あなたたちの面倒はこれまでもみてきたでしょう、これからも心配いりません」と表情を変えず言い放った。

冷酷無比な対応に「私たちの将来を考えてください」「なぜ浅野先生が辞めなければいけないんですか」と号泣しながら訴える学生たちに小黒教授は「心配はいりませんから」としか答えず、「学生は涙を流せばいいと思っているのか」と言い放った。

こうした状況下で、院と学科の浅野健一ゼミは3月31日(月)午後2時30分から、シンポジウム「浅野健一教授就任20周年記念企画『犯罪報道の犯罪』から30年〜日本のジャーナリズムを再考する」を開くことになった(会場は、同志社大学今出川キャンパスクラーク礼拝堂)。

今後の裁判予定は、仮処分の第3回期日(審尋、非公開)が4月11日(金)午後1時から、また、本裁判の第1回期日(口頭弁論、公開)が4月16日(水)午前10時半から京都地裁208号法廷(終了後、報告集会を開催)。傍聴・支援を呼び掛けたい。(次号に続く)

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