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2013/12/11更新

辺野古新基地建設を阻止しよう!
党本部の恫喝に屈し自民党県連が辺野古移設容認へ

宜野湾市在住 富田 英司

本土では、国民多数が反対している「特定秘密保護法案」が、特別委員会で強行採決され、参院でも可決された。

沖縄では、県民の8割が反対している普天間飛行場の辺野古移設に対して、自民党県連が公約である「県外移設要求」を破棄して「辺野古移設容認」に転換する事態となった。

自民党県連所属の国会議員5名全員は、各選挙において公約「辺野古移設反対、県外移設要求」を掲げて当選。

ところが、今年に入り、西銘恒三郎衆院議員(沖縄4区)と島尻安伊子参院議員が、相次いで公約「県外移設要求」を撤回し、「辺野古移設容認」への転換を明らかにした。その時、多くの県民から「公約違反だ、辞任せよ」との怒りの声が上がった。

県外移設を主張してきた、国場幸之助(沖縄1区)、比嘉奈津美(沖縄3区)、宮崎政久(比例代表)の3衆院議員に対して、首相官邸(菅義偉官房長官ら)と党本部(石破茂幹事長ら)は、「普天間の固定化」と「離党勧告」という脅し文句と恫喝で、3議員を辺野古移設容認に追い込んだ。

この脅しに屈した宮崎正久衆院議員は、24日に記者会見を開き、選挙公約を撤回し、「辺野古移設容認」を早々と表明。

25日午前10時過ぎ、東京・自民党本部での記事会見に5人の県連所属国会議員が並び、「辺野古移設容認」で一致したとの党本部発表をおこなった。

自民党沖縄県連も県議らの大半が「辺野古移設容認」に傾き、27日の議員総会で「県外移設要求」を撤回して、「辺野古移設容認」の方針を決定。また、「知事にも働きかけざるを得ない」と述べ、仲井真弘多知事にも方針転換を求めていく考えを明らかにした。

党本部の圧力に屈して、自民党県連は「総崩れ」し、「辺野古移設容認」路線へ転換。唯一、自民党の那覇市議17名中14人が、沖縄1区選出の国場幸之助衆院議員の辺野古移設容認への方針転換を批判し、1区支部役員を辞任した。

はっきり言えることは、これで翁長雄志那覇市長が主導してきた「オール沖縄」(超党派)の政治的枠組みがつぶされ、崩壊したということだ。

次の党本部の狙いは、仲井真弘多知事に12月中に辺野古埋め立て申請を認めるように圧力をかけること。そして、来年1月にある名護市長選挙で反対派の稲嶺ススム市長を落選させること。

新基地は沖縄未来を破壊する

この点について、26日の琉球新報「社説」は次のように述べている。

5人の自民党国会議員に対しては、「たやすく圧力に屈し、主張を撤回するなら、政治家の資格はない。…先に辺野古移設容認した2氏を含め、5氏全員職を辞して信を問うべきだ」と批判した。

また、脅しと恫喝した首相官邸と党本部に対しては、「『オール沖縄』の民意を知りつつ、力ずくで屈服させた。暴政は植民地扱いに等しく、許しがたい」とバッサリ。

今後の知事の埋め立て申請については、「国会議員に政府・与党が次に求めるのは、辺野古埋め立て申請を承認するよう仲井真知事を説得する役であろう。沖縄の有権者たちから票と信頼を得た議員たちが、政府・与党の先導役として沖縄に基地を押しつける作業にいそしむのか」。

そして最後に、「『オール沖縄』に政府・与党が分断のくさびをうちこんだのだ。古今、植民地統治の要締は『分断統治』とされる。支配層が、支配される側をいくつかのグループに分け、対立をあおり、分裂・抗争させることで統治の安定を図る仕組みのことだ。支配層は、善意の裁定者のごとく、涼しい顔をしていられる」と述べ、さらに「この局面で、政府と自民党本部の狙いはもう一つあろう。沖縄に抵抗は無駄だと思わせることだ。力ずくで公約を撤回させたのは、沖縄に無力感を植え付け、抵抗の気力を奪おうとしているのだ」との鋭い指摘。

これから数カ月は、沖縄にとって極めて重要な時期を迎える。辺野古新基地建設は、沖縄の未来を破壊する愚策である。なんとしても、新基地を阻止しなければならない。

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