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2013/11/12更新

12・1「NOニュークスえひめ」(松山市)へ!

再稼働「地元合意」へ国・四電が必死の工作

伊方原発の再働に向けて、国・電力会社の攻勢が強まっている。7月の原子力規制委員会(以下、「規制委」)の新規制基準施行直後、四国電力(以下「四電」)は、伊方原発3号機(プルサーマル発電)再稼働の申請を行った。

四電の申請を受けた規制委は、9月13日、伊方原発の「再稼働適合審査」の現地調査に入った。四国電力・千葉昭社長は、調査について、「特段まずいという指摘はなかった。(規制委の調査は)2、3回やると聞いており、丁寧に対応する」(9月26日・記者会見)と語っている。四電にとって、願ってもない流れになっている。

しかし、福島第一原発の「放射能封じ込め」ができない現状で、「まず再稼働ありき」で現地調査に入る規制委への批判が、改めて強くなっている。

規制委の現地調査には、担当委員は1人も参加せず、事務方の職員だけが参加した。これについて「伊方原発再稼働反対!ゲート前座り込み有志」は、9月13日の四電への要望書の中で、「無責任の極みであり、地域住民の生命への冒涜だ」と抗議し、原子力規制員会の調査そのものに対して、「原発が撒き散らす放射能への責任の所在を曖昧にするものだと考え、調査に反対します。また、その結果を信用することはできません」と批判している。

伊方原発の地元・伊方町でも、不安の声が上がっている。9月9日に開かれた伊方町議会の「原子力対策特別委員会」では、福島原発事故の放射能汚染水流出問題が取り上げられ、伊方原発での対策を求める声が上がった。また、「福島事故の原因が分かっていない中で次の段階(審査)に進むのはどうか」など、福島事故の総括がなされないままでの審査に疑問を呈する声が出された。中村敏彦委員長は、「福島事故の原因がはっきりしていない時点での再稼動は無理だろう」と見解を示している。

伊方原発の主な問題点

@地震と断層の問題

伊方原発に影響があると予想される「南海トラフ地震」は80〜100年周期で、前回起こったのは1946年。今後いつ起きてもおかしくない。また、伊方原発沖6〜8`沖にある「中央構造線系活断層」は、世界有数のA級活断層で、活動期にある。「断層が動けばM8以上の地震」と警告されているが、伊方原発は震源域の真上にある。山を切り崩し、谷を埋め立てた軟弱な地盤の上に立つ伊方原発は、大きな被害を予想すべきだ。

A空からの危険

1988年6月に、伊方原発2号炉から数百b近くのミカン畑に米軍ヘリが墜落した。現在でも、伊方周辺で普天間と岩国を行き来するオスプレイの飛行が多く目撃されている。四電の試算では、民間旅客機や戦闘機が墜落した場合でも原子炉建屋から離れた地点、と発表しているが、飛行ルートは状況次第で判断されることを考慮していない。

B事故が起こっても避難は不可能

伊方の立地する佐多岬半島は、細長く海のすぐ側まで山が迫っているため平地に乏しい。道路(国道197号線)も、道幅が狭く、もともと地盤も弱いため、これまでも台風の時など、地滑りで通行止めが多発してきた。対策として「佐田岬メロディーライン」が設けられたが、全2・3`の区間中、八西トンネルが1・865`を占め、災害時に通行不可になる可能性は高い。伊方原発はこの佐多岬半島の「根元」部分にあるため、原発事故事故時には、佐多岬半島の原発以西の住民約5000人は、道路での脱出が不可能になる。海からの脱出にしても、海がしけたら船は出せないし、津波が来たら船も岸に着けることもできない。

「地元のおばちゃんたちは、『私らはよう逃げんと。どないして逃げれるの?あきらめとらい』と言っています。事故が起こったら、住民は見殺しになるのですか?!」(「原発さよなら四国ネットワーク」門田鈴枝さん)。

C事故が起こったら瀬戸内一帯が壊滅状態に

伊方から排出された汚染水は、潮流に漂いながら、ほとんどが瀬戸内海にとどまる。そうなれば、世界有数の多様な生物などの宝庫である瀬戸内海は、ほぼ永久に汚染が続き、壊滅状態となる。ホットスポットは、四国だけでなく、広島・山口・九州各地にもできると予想される。空中に放出される放射性物質も、最終的には、ほとんど瀬戸内海に流れ込むことになる。

四電社員が地元2万8千戸を全戸戸別訪問

「今冬の(電力)ピーク時に、少しでも伊方の原子力が寄与できればありがたい」(四電・千葉社長)と、年度内の伊方再稼働をねらう国・四電にとって、最後のハードルは、「地元の同意」だ。四電は8月27日から1カ月かけて、伊方再稼働に理解を求めて戸別訪問をおこなった。社員2人1組になり、原発から20`圏内の3市1町の約2万8000戸を訪問。9月14日には、愛媛県警と松山海上保安部が、原発施設を狙ったテロへの対処訓練を実施、10月8日には、四電が原子力規制庁職員立ち会いの中で、伊方原発での重大事故を想定した総合訓練を実施し、それぞれ「安全」をアピールしている。

現地では、今後も「愚鈍に、継続してあきらめないで、一緒にノー・ニュークスを訴えて続けていこう!」と、今後も「伊方原発再稼働阻止」「原発廃炉」に向けた様々な取り組みを予定している。

日常的な取り組みとしては、毎月11日の伊方原発ゲート前行動、県議会へのロビー活動や、県外の脱原発集会への参加、愛媛県知事・四国電力・伊方町へ「伊方原発再稼働ストップ」はがき作戦など、様々な団体・個人が取り組みを行っている。

12月1日には、松山市内で1万人規模の集会「NOニュークスえひめ」(午前10時〜、堀之内城山公園やすらぎ広場/主催・伊方原発をとめる会)が予定されており、全国からの参加を呼びかけている。(編集部)

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