2013/10/11更新
関西で、米軍関連の動きが強まってきている。一つは、陸上自衛隊饗庭野(以下、「「あいば野」)演習場における日米合同軍事演習(10月上旬〜中旬)で、今年は米海兵隊側からMV-22・オスプレイが演習に初参加する。
もう一つは、米軍が京丹後市にある航空自衛隊経ケ岬分屯基地にXバンドレーダーを設置し、新たな米軍基地を建設するという計画だ。いずれも、米軍と自衛隊が一体となった動きである。
9月20日に京都市内で行われた「京都に米軍基地はいらない!止めよう経ヶ岬のXバンドレーダー」と、29日に滋賀県高島市で行われた「オスプレイは来るな!日米合同軍事演習反対!あいば野集会」の様子を報告する。また合わせて、オスプレイの追加配備が完了し、今後オスプレイ訓練の激化が予想される沖縄から、「沖縄通信」をお届けする。(編集部・一ノ瀬)
「今後、防衛省は経ヶ岬への米軍基地建設に動き出すでしょう。取り組みの出だしは立ち遅れてしまいましたが、沖縄の闘いに学ぶならば、これからが正念場です」(経過報告・山本純さん)。
京都に米軍基地が?!─今年2月に日米両政府が米軍Xバンドレーダーの日本国内への追加配備に合意したことを受け、京都府京丹後市の経ヶ岬に米軍基地を建設しようとする動きがある。9月19日には、京都府・山田知事と中山京丹後市長が、防衛省が要請していた米軍Xバンドレーダー基地建設協力について、受け入れを表明。米軍基地建設に向けて大きく「前進」したことになる。
翌20日、京都市内で「京都に米軍基地はいらない!止めよう経ヶ岬のXバンドレーダー」が行われ、約100名が参加した(主催・「止めよう経ヶ岬の米軍レーダー・危険な戦争準備を許さない」緊急京都府民の会南部連絡会)。
Xバンドレーダーとは、飛んできたミサイルを空中で迎撃する弾道ミサイル迎撃システムの一部で、1000`以上の探査距離を誇る。日本海に面する地理条件からも明らかなように、朝鮮民主主義人民共和国からのミサイル発射を想定したものだ。
集会では、地元・京丹後市での住民の声や取り組みが紹介された。8月7日に京丹後市で行われた住民説明会では、22人の発言はすべて、@レーダーによる電磁波が住民や環境に及ぼす心配、A基地建設・米軍配備による騒音・振動などの影響、B配属される150人規模の米軍によるトラブル、などについて不安を訴えるものであり、基地建設に賛成する意見は一つもなかったという。
基調報告では、経ヶ岬への米軍Xバンドレーダー基地建設は、日米軍事一体化と集団的自衛権の行使・憲法改悪などの安倍政権による戦争国家化の動きの一つだ、と批判。経ヶ岬に米軍基地ができれば、舞鶴・福知山・あいば野・桂・宇治など近隣の自衛隊基地と一体となった基地再編が進むだろう、と指摘した。
集会は、「私たち自身が反基地闘争の主体となって、私たち市民の力ではね返していこう」と今後の取り組みを確認して、終了した。
あいば野へのオスプレイ飛来が10月10日に予定される中、あいば野演習場のある高島市住吉公園で「オスプレイは来るな!日米合同軍事演習反対!9・29あいば野集会」(主催・フォーラム平和関西ブロック、2013あいば野に平和を!近畿ネットワーク)が行われ、地元をはじめ、関西各地から800人が参加した。
10月上旬から中旬まで、陸上自衛隊あいば野演習場(滋賀県高島市)で、陸上自衛隊と在沖縄海兵隊による日米合同軍事演習が行われる。この演習は、1986年から3年ごとに行われていたが、2011年以降、毎年行われるようになり、今回で13回目となる。
この演習の目的は、在日米海兵隊と陸上自衛隊の相互運用を向上させること。これまで、イラク・アフガン戦争時には、米海兵隊と自衛隊が共同で都市制圧する訓練が行われている。今回の訓練では、上空で静止したオスプレイから展開した兵士が目的地を制圧する「ヘリボーン」訓練や、「陣地攻撃」の訓練などが予定されている。国内でオスプレイを使った実動訓練をするのは、これが初めてのケースだ。
沖縄平和運動センター議長の山城博治さんは、連帯あいさつで、集会前日の28日夜、普天間飛行場上空でオスプレイ1機が着陸できず、普天間飛行場上空をホバリングしていた異常飛行事件を報告し、「相変わらずトラブル続きのオスプレイは、いつか必ず大惨事を起こす」「『沖縄県民の基地負担軽減』を言うなら、沖縄の基地を撤去せよ!オスプレイを撤去せよ!」と訴えた。
集会では最後に、安倍政権が「戦争できる国」づくりに突き進む情勢の中で強行される、2009年にPAC3(弾道ミサイルの迎撃用の地対空誘導弾)も配備されているあいば野での合同軍事演習に反対し、即刻中止を求める集会決議を採択した後、市内をデモ行進した。
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