2013/8/27更新
反原発・かごしまネット事務局長 向原 祥隆
懲りることのない電力会社は、原発の再稼働に躍起になっている。その中で鹿児島県薩摩川内市の川内原発1、2号機が、一番手に上げられている。その理由は、「大きな活断層がない」からというものだった。
ところが、2013年2月1日、政府の地震調査委員会は「(九電の解釈は)とにかくひどいものである」(議事録)という委員の意見とともに、原発周辺の活断層のこれまでの評価を大幅に見直し、さらに調査を求める報告書を発表した。
驚くべきことに、地震調査会は、これまで九州電力が保安院に報告してきた活断層の距離を大幅に長く塗り替え、起こりうる地震の規模も最大11倍に大きくした。比べて見れば、一目瞭然。
さらに、地震調査委員会の議事録を見ると、衝撃的な言葉が並ぶ。
「(九電の)解釈はとにかくひどいものである」「最もひどいのは、地表面(海底面)にまで断層変異が及んでいるにもかかわらず、断層の存在を全く無視していることである」とまで、委員は口にしている。これがこれまでまかり通ってきたことなのである。
見過ごせないのは、「生のデータを見ると、『(ほかにも)活断層が存在することは明らか』である」と述べている点だ。これまで九電が示してきた以外にも活断層があるということなのである。また、甑断層や甑海峡中央断層が川内原発に近づく可能性も指摘する。
九電は、こうした地震調査委員会の指摘を全く無視して、再稼働の申請を行った。
さすがに規制委員会も放置できず、7月23日、地震調査委員会の報告を考慮するように九電に指示した。
川内原発のわずか2q南には、5mの火砕流の露頭もある。川内原発のある地域は、10万年の間に2回の火砕流に襲われている。これを規制委員会は見過ごすつもりだろうか。
私たちはこうした事実を、周辺自治体、多くの人々に広く知らしめ、再稼働を阻止したい。
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