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2013/7/26更新

やめて再稼働! なくせ泊原発! 7・13岩内行動

性懲りもなく核燃料サイクルめざす原子力業界への闘い

岩内町議会議員 佐藤 英行 

予想される津波の高さをごまかす北電

7月13日、この時期の北海道らしい清々しさの中で、北海道電力泊原子力発電所1〜3号機が海を隔てて見える、岩内町旧フェリー埠頭緑地において、250人の参加で「やめて再稼働!なくせ泊原発!7・13岩内行動」が行われた。

7月8日、原子力規制委員会が再稼働に向けた新規制基準を施行し、そして即4電力会社が再稼働に向けた審査申請を行っている。そのような状況下での集会である。

呼びかけ人代表から、紙芝居を使った挨拶と基調報告が行われた。「北電は今まで最大津波の高さを9・8bと予想していたが、沖に岩礁があり、そのため津波の高さは低くなり、解析の結果7・3bとなった、と発表した。防潮堤を完成することが再稼働の条件の一つであるが、最大津波の高さを低くすることによって、従来は20aしか余裕がなかった(原子炉建屋は海抜10bに建っている)が、今度2・7mの余裕があるので審査時に防潮堤を作らなくとも大丈夫との考えであるが、まるで子供だましの理論である。岩礁は前からあるし、高潮と津波の遡上高は違う」と、北電を弾劾。

福島から北海道に避難をしている福島原発告訴団の女性からは、「福島から故郷を置き去りに避難をせざるをえなくなり、避難者の家族はそのことにより人間関係に亀裂が入り、避難した人・残った人の間にも感情の行き違いが生じてきている。それでも子どもの将来を考えると、日常的に放射能の値が高いところより低いところへ住むことが重要。このことを強制した東京電力を告訴するに至った」と、福島の現実を報告。

集会に首都圏から12名が参加している再稼働阻止全国ネットワークからは、全国の再稼働阻止へ向けた闘い、7月8日規制庁行動の報告があった。

その後、各団体からのスピーチ。

まず、原発ゼロノミクマ君が、通訳を通じて、泊原発の再稼働を許さない断固とした決意表明をした後、毎週北海道庁前で反原発抗議行動をしている「北海道反原発連合」から、7月8日原子力規制庁での抗議行動、および参議院議員会館で院内集会の報告、函館大間原発訴訟の会、幌延問題を考える旭川市民の会、北電株主の会、弘前核を考える会からは六ケ所核燃の状況、Shut泊、そして経産省テント広場からの報告と、発言が続いた。

さわやかな青空には高く高く上がった凧、連凧もある。風は日本海から陸へ、方向は迷わず札幌方面へ吹いている。事故が起きたら、放射能は風に乗って、250万人が住む札幌圏へ飛んで行く。

「泊原発の再稼働の中止と、泊原発の廃炉を求める」集会宣言を確認した後、泊原発に向かって抗議のシュプレヒコールを上げ、岩内町内へデモを行った。窓の中から手を振ってくれている住民も複数見受けられ、原発城下町の岩内町でも原発に対する不安は持っており、再稼働を阻止し、すべての原発を廃炉にしていくその確信を強くした。

3号機再稼動に米国政府の影

北電は、3号機の再稼働を優先して審査するよう規制委員会に要請している。3号機は、MOX燃料を使うプルサーマル計画をしている原発である。最も危険な燃料を使用するのは、単に経営上財務の問題ではなく、アメリカの影が見え隠れしている。

【愛媛県】伊方原発再稼働

お粗末至極の「安全」審査 専門委員からも不満の声

原発さよなら四国ネットワーク 大野 恭子

7月17日、伊方原発環境安全管理委員会専門部会が行われました。愛媛県知事は、この専門部会の評価をもとに安全性を確認するので、地元了解の重要なステップとなります。

前日に朝日新聞で2人の委員(奈良林直氏と宇根崎博信氏)が、原発業界から寄付を受けていたと報道され(内容・コメントは下表)、メディアが入口に殺到。委員たちは裏口から入ったようです。

委員会の印象は、まず欠席者の多さです。「専門部会」の委員8人のうち奈良林氏を含む3氏が欠席しました。部会長の濱本研氏(愛媛大・放射線医学)は4時間の間、一言も発せられません。これで検討したと言えるのでしょうか。

原子力規制庁の職員が審査の進め方を説明したあと、四国電力が、自信満々に「津波の高さは最大4bで、新たな津波防護施設は必要ない」としたのに対し、高橋治郎委員(愛媛大・構造地質学)は、「僕は構造地質学しかわからない。他のことは四電が専門的に調べて、合致していると言えば、それを信じるしかないではないか」、「基準が出てきてから判断するのはおかしい。津波については最悪を考えるべき」と批判しました。また、森伸一郎委員(愛媛大学・地震工学・防災工学)も、「たったこれだけの資料では議論できない」と不満を述べました。

しかし四国電力は、「活断層の長さを大分の連動を入れて430qに伸ばした。新しい知見により、想定をM9・0にした。しかし、最大地震動は変わらず570ガルで大丈夫と確認した」と答える始末です。

一番恐ろしいのは、伊方原発で過酷事故があることを想定し、放射能拡散を抑え込めるかを検討しているということです。こんな委員会があること自体がおかしいのです。

10`圏内の地元4町村(泊村、共和町、岩内町、神恵内村)からUPZ(緊急時防護措置準備区域)30`圏内となって、新たに9町村が増えた。泊原発がある後志(しりべし)総合振興局(北海道庁の地方行政機関)には20市町村があり、地元4町村を除いた16市町村が北電、北海道と安全確認協定を結んだ。しかし、この協定には、事前協議の事項がなく、すべて事後報告となっており、全く不完全なものである。

また、30`圏内に新たになった町村は、原子力防災計画の作成を押し付けられた。北海道の場合、特に冬期間の原子力防災計画が作れるかどうかという問題がある。今年の3月上旬、猛吹雪、豪雪で車が立ち往生し、雪の下になって、9名が亡くなったことは、まだ記憶に新しい。しかし、この気候は北海道にとってそんなに珍しいことではない。ちょっと吹雪けば高速道路は止まるし、もうちょっと積雪が多ければ公共交通機関がストップする。このような状況下で、原子力防災計画、退避等措置計画など作れるわけはないのである。それを知りつつも、当局は作れという。

今回の集会での、泊原発、フルMOX原発の大間原発、使用済み核燃料を再処理する六ケ所村核燃、そして高レベル放射性廃棄物の処理貯蔵を目論む幌延、と核燃料サイクルを目指す原子力ムラに対して果敢に戦い続けている現地からの闘いの報告が、今後の私たちの反原発・脱原発の闘いを方向づけていると言って過言ではない。実にこれからが正念場なのである。

しかし、3・11福島事故後、脱原発に立ち上がってきた人たちも、気持ちが萎え始めているのも事実だ。講演会、学習会、集会もした、陳情、請願もした、意見書も出した、署名もいっぱいした、だけど思いが政府、行政に届かないもどかしさがあるだろう。

しかし、私たちはめげてはいけない。私たちの時代が原発を造り、使用済み核燃料を生み出してしまったのである。私たちは、未来に対して責任がある。核を生み出した責任がある。その責任は果たさなければならない。未来は私たちの足元にあるのだ。

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