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2013/6/13更新

反原発東京最大行動

参院選前最大の「反原発」大衆集会
今後の課題も明らかに

園 良太(東京都/東電前アクション) 

6月2日、参院選を前にした東京での反原発統一行動「6・2・NO・NUKES・DAY」が3会場で開かれた。昼の芝公園では『6・2つながろうフクシマ!さようなら原発集会』(主催・「さようなら原発一千万署名」市民の会)。明治公園では『原発ゼロをめざす中央集会(主催・原発をなくす全国連絡会)』。2つが終わってから夕方の『反原発☆国会大包囲』(主催・首都圏反原発連合)に合流する流れになっていた。

そうだ!安倍政権打倒!

朝までの曇り空が急に絶好の晴れ間に変わる中、私はまず、芝公園に向かった。チラシ3種類を参加者に配りながら、12時から始まった集会に耳を寄せた。

福島で有機農業を営む渡辺ミヨ子さんが、福島の事故隠しや原発輸出に反対し、「原発のゴミと国の借金で未来が苦しむことがないように」と訴えた。呼びかけ人の大江健三郎さんは、「原発の運転を再開するということは、福島の事故で苦しむ人たちに対する裏切り。ドイツは、次の世代が生きていける環境をなくさないことを原理にしている。日本政府は何を原理としているのか」と話した。それを受けて鎌田慧さんが、「日本は倫理がなくなっている。原発は財界の利益のためにある。いらない。安倍政権打倒!」と力強く訴えた。そう、必要なのはそれだ。

デモ出発まで人は増え続け、会場は一杯に。主催者発表で7500人が参加した。14時半、大江さんや鎌田さんを先頭にデモに出発。私も仲間と出発口で、景気付けに「原発いらない!子どもを逃がせ!輸出をやめろ!」とコールし続けた。経産省前テント、たんぽぽ舎、山谷・釜ヶ崎の日雇い労働運動の仲間が出発する中、「ふくしま集団疎開裁判」の仲間と隊列に加わり出発!

前述のコールを続け、怒りと熱気は最高潮に。そして東電本店前で私たちは5分近く立ち止まり、「東電解体!全額賠償!広瀬は出てこい! 歴代トップは全員出てこい!」とぶつけ続けた。もっとみんながやるべきだと思う。また大阪から来て入口で、「関西大弾圧救援会」のチラシを配り続けた方々も、「原発なくてもえじゃないか電気は足りてるえじゃないか」というわかりやすいコールを披露。私たちもゴール地点で合流し、ともに解散集会を行った。

全体でデモ規制への反撃を

一方、明治公園の集会も1万8000人が参加し、会場全体を埋めた。仲間によると、始まりから原発下請け労働者の歌があり、東京の反原発行動では少ない視点なので、良かったと思う。また玄海、伊方、柏崎刈羽、島根の各原発立地地域の人々を中心に置き、群衆の前で発言したことも、とても良かったと思う。デモは3コースに分かれて出発し、多くの人がゴール後、国会前へ向かった。

芝公園からのデモが日比谷公園にゴールし、@公園に留まって話す人、A国会へ向かい抗議する人、B経産省前テントに立ち寄って交流する人々─に分かれた。それらが同居する霞ヶ関一帯は、穏やかな晴天と相まって解放空間になっていた。必要なのはこれだ。毎晩これくらいの状態が続かなければ、原発は止まらないし、政治も変わらない。

経産省前テント前で様々な人と話してから、国会へ向かった。相変わらずの警察官と鉄柵による法的根拠が全くない規制で、警察の示すエリアのみを歩かされている。「なぜ通れない!」と抗議する人も多く、こうした抗議を集中させて、変えさせるべきだ。各所でドラム隊が音楽で盛り上げ、国会前のメインステテージでは議員、音楽家、原発立地地域の人々がアピールを続けた。集会が終了した19時以降も、経産省テント前では反原発映画の上映会が行われ、人々の足を留め続けたのだった。

不明確なスローガンと統一できなかった集会

こうして「選挙前の(恐らく)最大の大衆集会」は終わった。しかし、安倍政権と福島見殺しの危機的状況を考えれば、4つの課題を挙げるべきだ。

第1に、この日の行動全体が、一体何が獲得目標なのか不明確だったことだ。選挙前に「再稼働を絶対許さない」と声を上げる目的ならば、政権の悪辣さを踏まえて、鎌田氏のように「安倍政権打倒」も掲げるべきだろう。また、インド・トルコ・ベトナムへの原発輸出、福島の子どもを中心とした被曝の広がり、といった喫緊の課題も壇上発言者の発言に留まり、集会スローガンでは明確でなかった。

つまり、事故から2年、東京の最大運動は、大状況の打ち出しも個別重要課題の打ち出しも両方中途半端なまま、抽象的に「原発いらない」と掲げて終わる年中行事と化したのではないか、という現実だ。それゆえか、集会参加のの人数は昨年7月の代々木公園の17万人大集会から、今回は昼の2会場だけ合わせても3万人弱に減った。また若い世代、新しい層の参加も減った。

第2に、3会場での分散開催に必然性は特に見当たらず、やはり原水禁・原水協といった従来の分裂が復活し、反映されたのではないか、ということだ。あまりに残念すぎる。

今後は主催者自身によるテーマの議論と深化と統一、違いを活かしながらのより一層の協同、同時開催できる大会場の確保や、路上解放の実現を求めたい。もちろん、これらは私たち自身にも求められてくることだ。ともにがんばりましょう!

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