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2013/3/23更新

愛(かな)す宮古(みゃーく)市民ピースアクション」

自衛隊基地化に抗して手を繋いだ南西諸島の島民たち

清水早子(宮古平和運動連絡協議会)

2月24日、沖縄県宮古島市立中央公民館広場の野外劇場の舞台に架けられた横幕は、「愛す宮古市民ピースアクション」。舞台では、プロからアマまで地元ミュージシャンによるピースコンサートが進行。三線の音色とともに宮古島民謡がゆったりと流れ、若いママの一人はフラダンスを踊り、締めは「♪ええじゃないか」と、リズミカルなお囃子が。「♪ええじゃないか、宮古島、基地にしないで、ええじゃないか」「♪ええじゃないか、今のまま、平和な島でええじゃないか」と、江戸時代末期世直しの民衆のお囃子として流布した、と言われる元祖ラップのリズムで言葉が跳ねた。

舞台周辺では、若いママさんたちが手作りのおにぎりやお菓子を、無農薬栽培する青年は野菜を、おばさんたちは手芸小物を並べて出店し、子どもたちは駆け回り、舞台に手拍子を合わせた。これは祭りではない。宮古島への自衛隊配備に反対し、沖縄・石垣・与那国の島民が一堂に会した、琉球弧の軍事要塞化に抗する連帯と共闘の集いである。県外の大阪・京都・東京・神奈川からも駆けつけてくれた人々も合わせ、150名が結集した。

コンサートの後は、安倍政権になって以降加速する、各々「ばんたが(私たちの)島」の平和の危機をリレートークした。与那国島から参加した「イソバの会」のメンバーは、「台湾と与那国島の漁師は、弁当を分け合うほど親しく交流しながら漁をしているのだから、海の上に境界を作らないでほしい」と話し、戦争体験者は「沖縄戦でも、軍隊のいなかった島は攻撃されなかった」と語りかけ、高校生は「将来戦争が起これば、戦場に行くのは自分たちなのだから、止めないとならない」とうつむき加減に話した。

「『沈黙は承認のしるし』ということわざがあります。黙っていたら基地に賛成だ、ということになってしまいます。今こそ、私たちは島の平和な暮らしと子どもたちの命を守るために、戦争は起こさないと声を上げましょう! 歌ってもいい、踊ってもいい、叫んでもいい、静かに歩いてもいい、みんなで平和な暮らしを壊さないで、と表現しましょう!」と集会アピールの採択後、市内をデモ行進し市民にアピールした(写真参照)。

次なる戦争の捨て石にされることに抵抗し続けています

沖縄島での米軍基地に抗する闘いは日本本土でも知られているが、琉球弧の、とりわけ宮古島、石垣島、与那国島への自衛隊配備強化、新基地建設については、まだまだ周知されていない。宮古島では、諸島内にある下地島空港が3`の滑走路を持ち、双方向からの離発着が可能なため、建設当時から軍事利用が懸念され、反対運動が40年来続いている。

真っ平らな宮古島の、中央の小高い所に航空自衛隊通信基地がある。かつて、日本軍の離島司令部があり、戦後は米軍管理下に、日本復帰後自衛隊が引き継いだものだ(その麓には、建立に私たちも関わった「日本軍『慰安婦』の祈念碑」がある)。極東アジアの電波を傍受する、つまり国家レベルの盗聴施設であるレーダーが置かれているが、今のところ戦闘部隊はいな い。

「下地島空港に、尖閣を睨んでF─15戦闘機を常駐させる」というニュースが、1月15日に流れた。防衛省は、レーダーの強化や戦闘機配備のための調査費、さらに海兵隊化させる陸自隊員増員のための予算を、約90億円も計上した。そのことへの危機感から、私たちは今回の集いを企図した。

下地島空港は、本来、《民間航空のパイロット訓練場》として、国策で作られたものである。昨年、JALが訓練から撤退し、ANAも雲行きがあやしい。空っぽになったときが危ない。自公公認の沖縄県知事も宮古島市長も、自衛隊配備には必ずしも反対ではない。宮古島市

長は、宮古の「自衛隊協力会会長」である。表向きは「下地島空港は軍事利用しない」というが、「災害拠点構想」を語っている。福島原発事故時に登場した「無人偵察機」を下地島空港に置く、という話も浮上している。無人偵察機グローバルホークは戦闘機であることを、忘れてはいけない。

日本全土が戦争する国家へと向かっている中、南方の小さな島々が次なる戦争の捨石にされようとしていることに、私たち島民はおおらかにしなやかに屈せず抵抗し続けていることに、どうか関心を寄せ、共闘していただきたい。

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●2・24愛す宮古市民ピースアクションコンサートの様子(http://youtu.be/fCA2ffyQDkQ

●2・24 愛す宮古市民ピースアクション集会デモの様子(http://youtu.be/uSUX89tkpoQ

▼宮古平和運動連絡協議会/[連絡先]沖縄県宮古島市平良字下里1046─1日本キリスト教団宮古島伝道所

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