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2012/12/14更新

大阪市がれき試験焼却

私が「放射能がれき拡散」に反対する理由

電力会社が事故賠償から逃げる口実作り?

ぱぉんさんインタビュー

ぱぉんさんは、11月13日の此花区のがれき処理説明会で不当逮捕された4人の中の1人だ。10月12日、大阪市役所横に出現した「原発再稼働反対監視テント」の中心的な存在の1人として活動していた。その後12月になっても接見禁止は解けないまま、ぱぉんさんら3人は起訴された。逮捕された4人は、いずれも反原発やがれき焼却反対で精力的に活動しており、明らかな狙い撃ち弾圧だ。ぱぉんさんが逮捕される前におこなったインタビューをお送りする。(文責編集部)

人と人とのつながりが被災地を救う

──橋下ののど元で「がれき反対」を突きつけたわけですが、反応はどうですか。

ぱぉん…がれき焼却反対を、「テント」という可視化する形で突きつけたわけです。

テント村ができたのは10月12日ですが、橋下市長も最初のうちは、無視を決め込んでいました。お得意のツイッターで触れることもしばらくはありませんでしたから…。

通行人の反応ですが、世代・性別にかかわらず、政府の「原発・がれき処理キャンペーン」に欺されている人が多いですね。もちろん、応援してくれる人もおられますが、「気持ちは分かるが、こんな座り込みはやめた方が良い」「電気 はどうすんねん」「経済がどうなってもイイんか」と、捨てゼリフを残していく人の方が多いですね。若い人も無関心な人が多いです。《電気があって当たり前》の生活を、ずっと送ってきたわけですから…。電力消費地の人間として、原発事故を、原発をはじめとするさまざまな問題を考えるきっかけにする必要があると思います。決して福島や福井だけの問題ではなく、全世界の問題ですから。

「また何か原発のこと言うてるわ」─そんな雰囲気を感じます。でも、原発稼働やがれき拡散で、人を殺すことに荷担することになる─自戒も込めて、無関心・無知は罪だと思います。試験焼却は押し切られてしまいましたが、諦めるわけにはいきません。これからもねばり強く続けていきます。

これまで行政のやることに何の興味もなかった、というお母さん方をはじめ、たくさんの方が、声を上げ、立ち上がり始めています。最終的には、こうした人と人とのつながりこそが、被災地を、人を救うのだと信じています。

──3・11の後にすぐ行動されたのですか?

ぱぉん…初めの頃は、仕事もありましたから、環境省に「がれきの広域処理はやめて欲しい」といった申し入れの電話を、個人としてかけたりしていました。でも、政府や東電のひどい対応がガマンできなくなりました。特に、政府や東電が、放射能汚染の被害を認めない点です。「原子力政策を進めるために、福島をはじめとする人たちがどうなってもいいの?」─そんな怒りから、「今できることをやらなきゃ」と、私はがれき処理や原発反対の行動に積極的に参加するようになったんです。

行政へは何度も働きかけましたし、福井へは何度も足を運びました。おだやかな福井の人々、豊かな自然の中に、原発ばかりがひしめき合っている風景に、強い違和感を覚えました。福井県やおおい町への申し入れに参加しましたが、あらかじめ面会を予約していたのにもかかわらず、当日はすっぽかされるなど、行政の「なにがなんでも再稼働」の不誠実な態度には、失望させられました。

原発事故責任を棚上げでがれきの拡散は許せない

──被災地のがれきが問題になるのは、震災後すぐでした。

ぱぉん…昨年5月、環境省が「全国にがれき処理をお願いする」と、広域処理の方針を出しました。

私にも阪神・淡路大震災の経験があります。そこで大量のがれきを目の当たりにしました。役人は「がれき」をゴミとして扱いますが、元は人の思い出の品だったりするんです。生活した家だったり、家具や持ち物だったり…。毎日を生活した名残とでも言うのでしょうか。被災者にとっては、言葉に表せない悔しさ・悲しさ・むなしさや不安があるんです。あれは、外から見ているだけではわかりません。

それを、よそ者が入ってきて、「がれきを処理する」、しかも全国に拡散してまで─ということに、私はまず大きな違和感を感じました。

阪神・淡路大震災でのがれきの量は、今回の東日本大震災の量とほぼ同じでしたが、ほとんどが地元で処理されました。もちろん、阪神の場合は、地震による家屋や道路の倒壊・火災、東日本は津波が主な原因、とがれきの質は違います。でも今回、何故ここまでがれき拡散が異様なまでの圧力で進められるのか。放射能がれきを全国にバラ撒けば、福島近郊とそれ以外の放射線量の差を小さくできる。そうすれば、それを口実に福島原発事故の賠償から逃げ切れる、と踏んでいるのでしょう。原発事故がなかったら、広域処理なんて言い出さなかったと思います。

昨年12月に、政府が福島原発の「収束宣言」を出し、今年7月には、大飯原発が再稼働されてしまいました。これらの動きを見ていると、原発事故の責任が棚上げされ、「原発事故がなかったこと」にされようとしているのを感じます。

そして今度は、がれき拡散によって放射能が全国にバラ撒かれようとしているのです。長い取り組みになるでしょうが、あきらめずに行動していきます。

11.13弾圧救援会
カンパ振込先…郵便振替「00980−2−195109」(加入者名「関電包囲行動」)
※通信欄に「11.13救援カンパ」と必ず明記してください

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