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2012/8/30更新

【現地ルポ】オスプレイ配備反対!強まる阻止行動(上)

世界一危険な飛行場に/世界一危険なオスプレイ配備

野田政権は、「オスプレイ反対」の声を無視し、岩国の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを9月中旬に普天間飛行場に移動させ、10月から本格運用を開始する方針だ。普天間飛行場では、オスプレイと交代するCH-46機の搬出作業も進んでいる。

▲普天間飛行場大山ゲート前での座り込みテント(写真提供・富田英司さん)

森本敏防衛相も、ワシントンでオスプレイに試乗して「快適だった」と安全性をアピールし、沖縄の怒りを沈静化させようと必死になっている。

「オスプレイ配備」強行を前にして、沖縄現地では基地ゲート前座り込みをはじめとして、配備阻止の取り組みを強化している。

8月上旬、本紙「沖縄通信」連載中の富田英司さんに、普天間や辺野古・高江現地を案内していただいた。2号にわたって掲載する。

合わせて沖縄国際大学教授・前泊博盛さんの講演会から「米軍にとってのオスプレイ配備」「オスプレイが浮き彫りにした日本の民主主義」について紹介する。(編集部一ノ瀬)

普天間基地ゲート前で座り込み

「世界一危険な普天間飛行場への、世界一危険なオスプレイ配備を、沖縄県民の力でやめさせよう!」─朝7時、普天間飛行場大山ゲート前に「オスプレイ配備阻止!」と染め抜かれた沖縄平和市民連絡会のノボリが立ち並び、朝立ちの街宣が始まった。

9月9日の「県民大会」にむけて、大山ゲート前では連日の宣伝活動が取り組まれている。

▲朝の通勤で混み合う国道58号線に向かって「オスプレイ反対」の朝情宣

ゲート前を走る国道58号線が、朝の通勤時間帯で混み始めている。「ご苦労さん!」 「応援してるよ!」と声をかけてくれる人、運転席から手を振る人、目が合うと黙礼してくれる人、クラクションを鳴らす人、反応は悪くない。一般車両に混じって、普天間飛行場で働く軍服姿の米兵が、朝8時の交代時間に合わせ、次々とYナンバー(米軍関係者が日本国内で入手した私有車であることを示す)車両でゲートに向かって走っていく。米兵たちは街宣にまったく無関心を装っている。

「オスプレイの普天間配備は、9月9日の県民大会の後」 ─在沖縄米軍のトップ=ケネス・グラック沖縄地域調整官も、8月21日の共同通信とのインタビューでこう語った。果たして、オスプレイはこのまま配備が強行されるのか。

この大山ゲート前での活動は、台風で延期になった8月5日の「県民大会」にむけて、7月9日から8月4日までの約1ヵ月間、「基地の県内移設に反対する県民会議」と「普天間爆音訴訟団」が中心となって「座り込みテント村」が設けられ、台風の日以外、連日、多くの人

々が座り込みに参加した。

座り込みには、近所の人が差し入れをもってきてくれたり、道行く車にアピールしたり、と思い思いのやり方で、「オスプレイ配備を止めよう!」のアピールを続けた。

「8月3日、座り込みテントが、刃物で計5カ所を大きく切り裂かれていました。誰の仕業かはまだわかっていませんが、そんな恥知らずな行為への怒りや悲しみを覚えながらも、みんなそんな嫌がらせや雨にも負けることなく、座り込みを続けました」(富田さん)。

また、普天間飛行場のもう一つの野嵩ゲート前でも、毎週金曜日夕方6時より、市民団体と労働組合が協力しあい、定例の「野嵩ゲート前金曜集会」が取り組まれている。

9・9 沖縄県民大会に本土からも参加を!

「オスプレイ反対」の声は、沖縄あげてのものとなっている。この間、問題のオスプレイは、4月にモロッコ、6月に米・フロリダ州で墜落事故を起こしている。

また、この8月には、米海兵隊がハワイの2つの民間空港(モロカイ島のカウラパパ空港とハワイ島のウポル空港)での着陸訓練計画に関して、米政府がアセスをおこなった結果、「考古学的資源への影響」と「周辺住民への騒音被害」を危惧する声が相次ぎ、訓練計画が中止となった。

また、米国本土ニューメキシコ州で計画されていたオスプレイの低空飛行訓練が、地元住民の反対意見が多く寄せられ延期された。

「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」

●9月9日(日)午前11時〜
(午前10時よりステージでイベント開催)
●宜野湾海浜公園多目的広場
●オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会事務局
(電話・098-869-1526/沖縄県議会内)
※宮古島市でも同日同時刻に「宮古地区大会」が行われる
(カママ嶺公園多目的広場)。

この米軍の「二重基準」(ダブルスタンダード)の運用に対して、「アメリカ国内でできるのに、なぜ沖縄ではオスプレイ配備を中止できないのか?!」との怒りの声が、あちこちから上がっている。

6月17日には、宜野湾海浜公園野外劇場でおこなわれた「普天間飛行場へのオスプレイ配備等に反対し、固定化を許さず早期閉鎖・返還を求める宜野湾市民大会」には、5000人が集まった。

大会では、「過去の事故から米軍・日本政府は何を学んだのか? 」(高校生代表)、「返 還合意から16年。オスプレイ配備はこの合意に反する」(老人クラブ代表)などの発言があった。大会は、@普天間飛行場へのオスプレイ配備の中止、A普天間飛行場の早期閉鎖・返還、B閉鎖・返還時期の明確化、を決議した。

8月5日に予定されていた「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」は、台風11号のために9月9日に延期となったが、こうした大きな集会の場以外でも、様々な取り組みが行われている。

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