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2012/7/12更新

大飯原発再稼働監視テント

4月25日号で紹介した、「大飯原発再稼働監視テント」。大飯原発に続く一本道の沿道に4月9日から設置されたが、村はいったん撤収、5月22日からは、おおい町総合運動公園に場所を移した。テントの数、参加者数は、今も増殖中だ。

野田政権が再稼働を正式決定した今、テント村はおおい現地行動の拠点として重要な意味を持つ。地域住民が「反対」の声を上げにくい状況にあるため、関西電力をはじめとする原子力村の連中にとって、テント村はのど元に突きつけられた刃のような存在だろう。大飯3号機が、早ければ7月1

日に起動されると予想される中、テント村の様子、そこに集まった人たちの声を紹介する。(編集部一ノ瀬)

再稼働を止めよう!   おおい現地へ!

「このテント村は『いのちの祭り』だ。人をもっと増やして、関電にプレッシャーをかけよう」─大飯原発再稼働監視テント村(以下、「テント村」)に集まった人たちが、1日のイベントを終えてのシェアタイム(打ち合わせ)での光景だ。シェアタイムとは、《何をするかは集まったみんなで決めよう》というモットーで、行われているもの。

この日は、福井市内で「いのちが大事今なぜ再稼働?ふくいでつながろう」集会があり、終わってからテント村に合流した人も多く、夜の時点で100名を超えた。

テント村に集まった人々は、ほとんどが若者たち。ブログやツイッター、フェイスブック、ユーストリームなどで呼び掛け合い、情報交換しながら集まった。

テント村に集まった人の声をいくつか紹介する。

「再稼働は絶対に止めたい。そのために、僕はできることを全力でやりたい。まずはもっともっと多くの人に集まってもらうことだ」

「笑顔でおおい町の地域にとけ込んで、つながっていこう」

「地元の人をもっと積極的に味方にできる方法を考えたい」

「北九州で震災ガレキ搬入反対行動もやったけれど、明るく、非暴力直接行動でやっていきたい」

「政府の手続きはすべて終わっている。ここからひっくり返していくのはしんどいけれど、まだやれることはあると思う」

「この運動の原点は福島だ。福島と結びついた運動でありたい」

「僕がここに来たのは、『本当に再稼働を止めたい!』って思うから」

「マスコミ報道には期待できない。一人ひとりがメディアになって、多くの人に伝えていこう」

豪華な施設群

テント村は、「おおい町総合運動公園(プレーパーク大飯)」の東側にある。JR小浜線・若狭本郷駅や、おおい町役場からも500b圏内だ。テント村のすぐ側には県道が走っており、朝夕には「関西電力大飯発電所」と描かれた通勤バスが通り過ぎる。道路に向かって設

置された「原発再稼働絶対反対」「時岡忍町長、再稼働ヤメロ!!」等の横断幕やプラカードは、彼らの目にもとまっているだろう。

この公園は、敷地面積が13・6f(参考…日比谷公園16・16f/天王寺公園28・2f)と広大であるばかりではなく、野球場やフィットネスセンター、テニスコート、宿泊施設、体育館、イベントホール(外観を原子炉建屋に模してある)、図書館など敷地内の施設は、すべて新しく豪華なものだ。

公園は、大飯原発3・4号機建設時に出た土を使って造成されている。埋め立て・施設建設には、1985年度から10年間にわたって関電から匿名で寄付された45億2000万円が使われている。

住民のゆれる心情

このテント村は、地元住民にどう受け止められているのか。福島原発事故で避難中の木田節子さんは、何度かおおい現地に足を運んだが、駅前からタクシーに乗ろうとすると、乗車拒否にあったという。木田さんが「原発反対と書いたものを身につけてるからダメなんですか?」と聞くと、ただ黙ったまま。そのタクシー会社は、関電の息のかかった会社だったようだ。さらに木田さんが、福島原発の事故で避難中の身であることを説明し、「家族もバラバラで、故郷にも帰れないようなつらい思いをするのは、私たちで最後にしてほしいんです。でも、お邪魔だったのでしょうか?」と話すと、そのドライバーは「アンタにはアンタの考えがあるんやろ」と繰り返すだけだったそうだ。

ただ、県道を走る車を観察すると、テント村に手を振ってくれる人、軽く会釈する人の姿も見られた。大飯原発へ向かう関電のバスからも、嫌悪感のようなものは感じられなかった。おおい町の人々も、内心ではこのテント村に注目しているのではないだろうか。

再稼働の具体的作業手順は、原子炉の制御棒を徐々に引き抜いて、出力を上げていくことになる。フル出力に達するのは、3号機が7月8日、4号機が7月24日だと言われている。逆算すると、起動が7月1日、送電開始が4日頃になる。

テント村では、6月23〜30日(土)までの一週間、「おおい町テント村の人口を1万人にする!!OCCUPY大飯」として、毎日様々なイベント・企画を予定している。また、最終日の30日午後1時からは、「STOP☆大飯原発再稼働現地アクション」の呼びかけで、おおい町内で「STOP原発再稼働!6・30おおい集会」(集会後、デモ)を予定している(6面「情報ひろば」参照)。全国からおおいに集まろう! 大飯再稼働を止めよう!

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