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2012/6/19更新

プレカリアートユニオン結成記念シンポジウム

 4月9日、東京でプレカリアートユニオンが結成され、5月26日、記念シンポジウムが開催された。「ワーキングプアからの脱却」をかかげ、30歳で最低年収240万円を実現させるという。非正規労働者が、今いる職場の労働条件向上のために、職場闘争に踏み出した。   (編集部)

非正規職場でも立ち上がれば労働条件は変えられる

プレカリアートユニオン書記長 清水直子

 非正規雇用、若年正社員が、職場で仲間を増やし、労働条件の向上に取り組むことを目指して、プレカリアートユニオン(大平正巳委員長)が結成された。4月9日の設立大会で、「非正規雇用、若年正社員の駆け込み寺から砦へ」「誰でも30歳で最低年収240万円を実現しよう」などのスローガンを掲げて、ワーキング・プアからの脱却、希望すれば一人につき一人は子どもを育てられる収入の確保、生活支援の充実などを目指して活動することを決め、連合傘下の全国ユニオン(全国コミュニティ・ユニオン連合会)に加盟した。

 5月26日には、反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠さんを招いて、事務所のあるユニオン運動センター(渋谷区代々木4─29─4西新宿ミノシマビル2F)で、設立記念シンポジウムを開催した。

 シンポジウムで湯浅さんは、芸能人の母親が生活保護を受給していたことをきっかけに巻き起こされた生活保護バッシングについて、「自民党のなかには、生活保護を選挙の目玉にしようという動きがある。民主党に対するリアクションとして、自民党のなかで家族による自助を強調する勢力が発言権を強めているように見える。今回のケースをてこに生活保護を問題にし、生活保護問題をてこに復古的家族主義の復権を目論んでいるのでは」と語った。

 プレカリアートユニオンは、「雇用不安を背景とした全体主義に流されないための情報・時間・空間・収入の確保」も目標に掲げている。湯浅さんは、大阪で橋下徹大阪市長ら維新の会が選挙で支持を広げた理由について、「民主主義の空洞化・形骸化」と「民主主義のしっぺ返し」があると、次のように指摘した。

 「誰かもっとうまく決めてくれるやつはいないかと、政治家に幻想と幻滅を繰り返した果てとして、橋下大阪市長らが支持を得ている。労働組合や市民団体などの組織が、組織に属さない小さい声をきちんと拾わずに軽視してきたことの影響もあるのではないか」。

 では、そのような「民主主義の空洞化・形骸化」「民主主義のしっぺ返し」には、どう対応すべきか。

 「このユニオンもそのひとつだが、社会の様々なところに結びつきを作り、非正規の不安定雇用問題、正社員の過酷な労働の問題に共通の課題を見いだしながら解決していくような取り組みが重要。寄り添い型でそれぞれの状況にあったサポートや問題解決を行い、対応を蓄積することが、結果的には社会を強くする。どんな人が立候補しても振り回されない社会を作ることになると思う」と、湯浅さんは語る。

 労働組合は民主主義を活発化するツール

 プレカリアートユニオン執行委員長の大平正巳さんは、「日本では4割が非正規雇用になり、20代から40代前半では6割は非正規雇用。すでに労働者としては多数派になったが、まっとうな評価を受けることはできない。今や企業に欠かせない力として期待される一方で、有期雇用契約で都合のよいときに捨てられる存在だ。有期雇用の労働者が、労働条件の維持向上を目指して会社に交渉を申し入れても、雇い止めによって職を失うことを恐れるため、在職中に立ち上がる非正規雇用の労働者は少ない。しかし、会社と立ち向かう基盤が奪われているからこそ、働く上での問題を解決するために

は労働組合を作ることが必要」と言う。

 「非正規雇用は、職場で立ち上がろうにも仲間がいないという人がほとんど。会社の意思決定から排除されており、自分がいつまで同じ職場にいるかもわからないので、同僚や信頼できる上司からも排除されている。不安定さゆえの問題に対応するには、非正規雇用であっても、自分が今いる職場で労働条件の維持向上に取り組むのが一番効果的。働く上でのトラブルについて、会社にお金を払わせたり、謝らせたりして退職するという解決もいいが、また一から別の会社を探して入っても、そこは前と変わらない労働条件。それならば、今の職場で、少しでも将来に希望がもてるような条件を仲間と実現するほうがいい。仲間が集まって、交渉力をつければ、会社は簡単には切れない」(大平さん)。

 非正規雇用でも、立ち上がれば働く条件は変えられる。プレカリアートユニオンに関わって立ち上がったのは、多くが非正規雇用だった。

 「現場を動かしているのは自分たちだという実態に気づいて仲間を増やせば、会社は有期だからといって、おいそれとはクビにできなくなる。そして、会社は問題解決のための話し合いに応じてくる。今までは、一方的に使い捨てられる弱い立場だった労働者が、労働組合というツールを使うことで、職場をどうしていくかという利害関係の当事者として、会社と渡り合うことができた。私たちは、法律を変えることも大切だが、実態として職場で力を持つことが非正規・有期問題を変える力になると考えている。不安定な労働者、仲間との結びつきが希薄な若年正社員こそ、今いる職場でよりよい条件を手に入れることが必要。プレカリアートユニオンは、そのために立ち上がる仲間を支援し、共に闘うために結成した」と語る。

 利害調整の当事者であろうとすることの大切さ、当事者であろうとする人を支援することの必要性という、民主主義をめぐる問題意識が共有されたシンポジウムだった。

* 【連絡先】渋谷区代々木4─29─4西新宿ミノシマビル2F ユニオン運動センター内 プレカリアートユニオン 電話・03─6276─1024/メール info@precariat-union.or.jp

ワーキング・プアからの脱却、希望すれば一人につき一人は子どもを育てられる収入の確保、生活支援の充実などを目指して活動することを決め、連合傘下の全国ユニオン(全国コミュニティ・ユニオン連合会)に加盟した。

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