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2012/2/20(月)更新
沖縄防衛局は、米国政府との合意を押し進めるため、辺野古の環境影響評価(アセスメント)評価書を昨年末の28日早朝、闇にまぎれて強引に提出した。これに対して沖縄県民は、年末年始の休みを返上して県庁内に座り込み、搬入阻止闘争を続けた。高江ではヘリパッド工事が再開された。今、沖縄県民は、まさに体を張って日米両政府の基地押しつけと闘っている。(富田)
日米両政府は2006年の在日米軍再編のロードマップ(行程表)の見直しを発表した。
「2006年の合意」とは、普天間飛行場の辺野古移設、在沖海兵隊のグアム移転、その後、嘉手納以南の米軍基地5施設・区域の返還が行われるというパッケージ(一括実施)となっていた。
これまで政府は、沖縄側に対して「辺野古移設(新基地建設)を実現しなければ、基地返還はしない」と、脅し続けてきた。
今回の見直しでは、このパッケージを切り離して、沖縄の海兵隊のグアム移転と嘉手納以南の米軍基地5施設・区域の返還を先行させるのが最大のポイント。
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具最大の問題である普天間飛行場の辺野古移設は、これまで通り堅持していく。米側は普天間飛行場の補修工事を計画している。
日本政府は、パッケージを切り離し、先行返還を示して、沖縄側の要望に応えた形をとっているが、実際は、昨年末に米議会がグアム移転費の計上を認めなかったという、米側の都合である。
大幅な国防費削減を迫られている米政府は、新国防戦略による米軍再編を進めており、国防総省も「辺野古断念」を議会側に伝えたと言われている。このように、今回の発表も、米国の戦略・判断任せという点で、日本政府の主体性のなさと、米国追随の姿勢は相変わらずである。
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SACO合意から16年。さまざまな削減計画が合意されてきたが、実現されなかった。結局、沖縄の状況(「辺野古移設」「普天間固定化」について)は何も変わっていない。これが沖縄の思いである。
最後に、注目を集めた宜野湾市長選は、自民、公明、新党改革推薦の新人の佐喜真淳氏が元職の伊波洋一氏に900票差をつけ、初当選した。
佐喜真氏は、普天間飛行場の返還・移設問題について、「現状固定化は阻止しなければならない」と選挙戦で述べた。しかし、かつては「県内移設の容認派」であり、普天間飛行場にオスプレイの配備問題もあり、新市長がどう対応していくか、注視したい。
★1月6日沖縄防衛局は午前9時前、県が不足を指摘していた評価書の書類を追加提出した。
米軍普天間飛行場の辺野古移設に向けた環境影響評価書は、昨年12月28日未明の搬入から10日目で、ようやく「提出」が完了したことになる。
★1月9日〈ちゃたんニライセンター〉で「改定せよ!日米地位協定」報告会と、ミニコンサート。
「支える会」が主催し、東京報告(玄葉外務大臣に署名7万3000余筆を提出し、日米地位協定の改定を強く要求)をする。古謝美佐子さんの歌も、とても良かった。
★1月11〜13日〈那覇地裁〉で「辺野古違法アセス訴訟」の専門家証人と原告本人尋問。
アセス法の専門家やジュゴンやサンゴなどの自然保護専門家の証言を聞いて、防衛省のアセスがいかにデタラメかが良くわかった。「最初に建設ありき」の評価書。
★1月15日〈八汐荘〉で「訪米要請団の壮行会」。
「アメリカへ米軍基地に苦しむ沖縄の声を届ける会」が準備を重ね、ようやく1月21〜28日に要請団・24名が訪米することになった。
★1月17日沖縄防衛局が高江ヘリパッド工事を再開。
田中前沖縄防衛局長の沖縄差別発言が明らかになった昨年11月29日以降、工事を停止していたが、重機などでの工事(実際はオスプレイパッド建設)を再開しようとした。反対する住民や支援者の座り込みで、工事は進まなかった。
その後防衛局は、19〜20日、24〜26日と続けて来て、反対する座り込み住民や支援者に対して、拡声器の大音響などでの威圧行為を続けている。
★1月19日〈沖縄地裁沖縄支部〉で「第3次嘉手納爆音訴訟」(原告人・2万2058名)の第2回弁論。
★1月19日〈西原町〉県の第1回「アセス審査会」。
審査会会長が冒頭、昨年末未明の評価書搬入に不快感を示す異例の私見を発表するなど、審議は沖縄防衛局への厳しい意見や、問題の指摘に終始した。アセスそのもののやり直しを求める意見が上がり、傍聴席からは賛同の拍手が巻き起こった。
★1月23日〈那覇地裁〉米軍属(24歳)の初公判。
昨年1月にあった青年の交通死亡事故で、日米地位協定の運用改善を初適用し、自動
車運転過失致死罪で在宅起訴された被告は、「その通り」と、起訴内容を認めた。青年の母親が意見陳述し、「息子は帰ってこない。(被告には)しっかり罪を償ってほしい」と、厳罰を求めた。2月1日の公判で結審し、2月22日に判決が言い渡される。
★1月27日〈宜野湾市〉県の第2回「アセス審査会」。
県環境影響評価審査会(宮城邦治会長)は、第2回会合を開き、公募した市民10人から意見を聞いた。発言者は評価書の内容や手続きを厳しく批判し、アセスのやり直しを強く求め、審査会委員からも同様の意見が上がった。評価書段階で市民から意見聴取するのは、異例の措置。