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2012/1/14(土)更新
大山弘一さん(南相馬市・陶芸作家)
福島原発の事故対応は、日本の企業体質に留まらず、いわゆる「悪徳ペンタゴン」=政・官・業・学・報の存在を国際社会に知らしめた。「悪徳ペンタゴン」は、財界や司法までが加担する癒着体質であり、国が「公」という階級を軸にもたれ合い、既得権益の共同体になっていることを、図らずも国民に知らしめ続けている。
今、この国は、旧ソ連崩壊のきっかけになったチェルノブイリ事故に続く、情報公開=グラスノスチ、改革=ペレストロイカの流れにも似た状況にある。
被害当事者としてこの「歴史的事件」を考察してみる。@もともと「人命軽視」「利益追求」の暗黙の了解の上に成り立つ「砂上の楼閣」であった原子力発電所。A利用地に造らず「安全神話」で洗脳。「第2の税金」=世界最高の電気料金で「国家の中に国家」を作り上げた「憑依帝国」であった。Bその利権関係者が国家を形作り、「推進」「監督」ズブズブの関係、「天下り」「天上り」は当たり前、「身内採用」から「寄付金」と、底なしの「マネー攻勢」でチェック機能は失われてしまった。
これらの下地の上に「起こるべくして起こった事故」であり、「黒塗り隠蔽」も当然の推移である。
この利権集団が目指したのは「被災地の再興」ではなく「利権の再興」であった。
【目標】は、@早期終息:起死回生で更なる推進、国内がだめでも各国に売り込む。A最少賠償で東電を延命し、政治・官僚組織の弱体化を防ぐ。
【方策】は、@情報隠蔽:メルトスルーは当初から折り込み済み。A 情報操作:「計画停電」「100ミリ閾値」「20ミリ暫定基準」。
【結果】は、「殺人事件」である。
「年間1_SV以下」が法の下での国と国民との契約であるにもかかわらず、弁護士資格のある長官が「ただちに影響がない」と「国民殺しの詭弁」を発し、本来なら国民側に立ち「年1_SVを超える恐れがあるので、タダチニ避難させる」と決断すべき立場の者が当初から被告側弁護士になり下がった。
司法も、前代未聞の「無主物」という厚顔無恥ぶりを発揮した。学者も嘘で追随し、マスコミも爆発映像を隠蔽し、御用学説を流布した。さらに地元自治体は、情報遮断と保身で住民と袂を分かち、金の求心力に従った。
また国は、高度被曝の情報を隠し、年間1_SVが守られないと分かると、計画的避難区域や特定避難勧奨地点を新設し、原発推進派からの寄付で成り立つICRPの「暫定、年間1〜20_SV」を持ち出してきた。これについて日本医師会は、「根拠がない」としている。
昨年末には、テレビ報道で、この国際的権威と言われる ICRPが決めた「年間被曝100_SVでがん死亡率が0・5%増加」について、「業界利権を慮った作為」であったことが暴露された。
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偽装国家には最早、自浄能力もなく混沌としやがて動乱へと向う不穏な空気が澱み始めているようだ。
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