2011/12/23(金)更新
2月11日(日)大阪・なんばにて「原発いらん!女子デモ!?だれデモ!」デモが行われた(参加者300人)。デモ呼びかけ人の一人である石田みどりさんは「脱原発のデモを女性中心で企画・運営したかった」と語る。「実行委員会は、口コミで集まった個人で構成。参加者も個人を中心に、はじめてデモに参加する人の視点を大事にしたかった」。デモといえば、集会でのアジテーション、トラメガを持ったシュプレヒコール、警察とのやりとりなど含めて「男性」が中心になりがちだ。在特会の妨害予告も来たが「男性に防衛してもらうのは本意ではないし、ものものしい雰囲気を作りたくなかった。極力主催者が対応するという意向を男性らに伝え、理解を得た」という。
「女子デモ!? だれデモ!」の実行委員会では、会議を、子どもを持つ女性が参加できる日程と、働いている人が参加できる日程とを交互で組む。子連れや体力のない人、車いすで参加しやすくするよう、デモの距離はなるべく短く、そしてゆっくり歩けるよう警察と交渉。デモ中の荷物預かり場所を作り、トイレの場所などを地図で提示するなどの工夫をした。とはいえいわゆる「母」「生活者」という視点だけではなく、「学生、非正規労働者、育休中の人、シングルマザー、いろいろな女性が実行委員にいたし、複数の意見の集まる場にしたかった」(石田さん談)。それゆえ「女子デモ」というものへのイメージも異なり、実行委員からの提案により、それぞれのこのデモに向けた思いを当日のチラシでは紹介することになったという(当日のチラシは下記URLでダウンロード出来る。http://bit.ly/sagLBV)。以下、実際に参加した鍋谷美子さんからの報告である。(編集部栗田)
鍋谷美子
参加してみて、見た目はこれまでの脱原発デモと、あまり違うとは感じられなかった。原発事故以降、何度もサウンドデモが行われ、毎回それなりにワカモノ・女性、そして子どもたちの参加があったからだ。とくに瓦礫受け入れ問題が取り上げられるようになってからは、子連れ参加がぐっと増えていたように思う。しかし、「女子デモならではで良かった!」の声も多く見られた。では今回とこれまでの違いは、何だったのだろうか。
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デモ中は、女子デモにもかかわらず、何度も男性がマイクを取って話す場面が見られた。女性の発言者もいたのだが、間が空くとマイクで喋る、コールする男性たち。スタッフの女性が走り回って、マイクを女性に回そうとがんばったり、「なんでこんなわきまえないの!女子デモだよ?」と怒っている女性もいた。こういう光景は、これまでのデモではあまり見られなかったかもしれない。これまでは、マイクを持って喋る人はごく限られていた。大勢の前でマイクを持って発言するのは、それだけで勇気がいる。慣れもある。そういう機会が女性の立場の人には、そもそも奪われている。その女性が発言しやすく、という意味での女子デモでもあったと思うが、自然にしていると男性ばかりが喋ることになってしまう。ある意味だれデモ(でも自然にまかせると男デモ…)としては成功だったのかもしれない。でも女性が、女性の立場から発言することのむつかしさを再確認させられたような気がした。
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こういった配慮があるだけで、初めてデモに参加する人が来やすくなったというのはあるだろう。初参加しました、というツイートも多く見た。しかしそういう配慮は、普通のデモでもできるはずだ。「長く歩くのは疲れる」「寒いから暖かい場所つくろう」「暖かい食べ物がほしい」少し考えれば分かることだ。人を気遣い世話をするのは、女性の専売特許なんかではない。女子デモ良くやった!と上から褒めている「男子」は、これまで何が抜けていたのか振り返り、今後に生かすきっかけにしてほしい。
デモ後、公園を離れて女性だけで集まる場ができた。そこでいろいろな思いを聞き、やっぱり女性で話ができる場は大事だと思った。女子デモとしては、今回できたこと、できなかったこと、見えてきたこともいっぱいあった。これから話をしたりしていくための、始まりのデモだったのだろうと思う。
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