2011/11/26(土)更新
ふぇみん大阪 鈴木くみ子
このところ、生活保護の増加がやたらと報道されたりしている。しかし、それは危険なことだと思う。まだまだ欧米などに比べ生活保護をとるべき人がとれていない状況もある。3・11の災害で増えているのも、あたりまえのことだし、女性の立場から言えば、DV被害を受けたシングルマザーにとっては命の綱としてある生活保護制度だ。
就労したくても心の傷があり就労できない人も多く、子どもを抱え、なんとか食べているのに、この制度が有期化されたり制限されたら、ますます生きづらくなっていくだろう。死者も出るのではないかと思う。
それに、働くことがあたりまえと思う人から見れば、甘いだの、税金を使っているだの、生活保護世帯に対する目線はとてもきびしい。差別が存在している。人が生きていくための最低の権利についてさえ、まるでその人が悪いかのように言っているのを聞いたことがある。根本的には心の傷や、精神的なダメージを受けた人への理解がないのだろう。
若い女性でも、セクハラやいじめで、精神的なしんどさを抱え、働きたくても働けない人がいる。労働現場が彼女をそのように追い込んでいるからだ。誰もが気持ちよく働ける職場であれば、こんな社会にはなっていないだろう。
まずは労働現場の状況を変えて、本当の就労支援をおこなうことだ。そのこともせず、増加キャンペーンをはるとは、弱者切捨て以外の何ものでもないと思う。
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