カルチャー・ジャマーズ(資本主義的消費文化の破壊)本部 (翻訳・脇浜義明)
現代社会は商品化社会である。物神化で最も有害なものは、生存そのものをも経済化してしまったことであろう。生存しているという事実だけで固有の権利が成立するということではなく、生存の仕方を価格化する―生存には値札がついているのだ。
金持ちは、金を払って快適に生存する。しかし、屈辱的な服従という代償を払って辛うじて生存する者もいる。まったく代償を払えない者もいる。ともかく、我々の生活や人生は、自動車やテレビや原油のように、一般市場で売り買いされる商品のようになってしまった。そういう市場に適応して、無慈悲で絶望的な文化が生まれた。
これは「成長のための成長」という哲学で、がん細胞と同じ原理だ。静的経済は健康体ではないという発想で、絶えず、永遠に拡張しなければならないのだ。
「永遠に拡張し続けるものなんて存在しない。熱力学第二法則を考えても、明らかである。しかし、市場はそれを受け付けない。あるソフトドリンクがよく売れる炭酸飲料になるだけでは、不十分なのだ。それは支配的飲料にならなくてはならないのだ。…人々が罹る病気のための薬を作るだけでは、不十分なのだ。人々が薬品コマーシャルを見て初めて知る病気の薬まで製造し、医者に処方箋を書かせなくてはならないのだ。そんなやり方が永遠に続くわけがないことは誰にでもわかるはずだ。しかし、みんながそれを本当にわかる頃には、既に社会に大変な害毒が流されているだろう」。
9月17日にウォール街へ結集する人々は、様々な理由や動機でやってくるだろう。しかし、共通していることは、経済ばかりでなく我々の全生活を支配している原則、つまり「利益第一主義」という原則に同意しない点である。
この原則に奉じない人々は、「負け犬になる覚悟をせよ」と言われる。徹底的に競争で敗北し、倒れてもハゲタカの餌食となる。この原則は、文明に巣食う根深い精神的病理現象の徴候、貧困と抑圧と世界中にはびこっている略奪を撒き散らす病原菌である。
世界はこんな病気に支配される必要はない。無慈悲で疎外された社会から、助け合うコミュニティ社会へ変えることは、可能だ。悲観的な人は「我々を支配するものたちの力は強く、これまでも我々を打ち負かしてきたし、今後もずっと我々を打ち負かすだろう」と言う。
しかし、彼らとて神ではない。我々と同じ人間で、この社会の産物である。我々の行動によって変化する社会に左右される存在である。彼らと対決できるし、彼らに影響を与えることもできる。我々に付けられた値札を越えて、彼らに向かおう。彼らも我々に向かい合わなければなくなるのだ。
テクノロジーのおかげで、志を同じくする人々が緊密に連絡を取り合い、お互いに協力し合って共同の目標を築き上げるのが、以前よりははるかに容易になった。このテクノロジー・ツールを使って、ツールのユーザー(彼らこそがこのイベントの真の組織者である)がウォール街占拠を成功させるようにするのが、我々呼びかけ者の目的だ。
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